ArcGIS 10 の ModelBuilder の新機能
ModelBuilder では、多くの機能が強化されています。
- ModelBuilder ツールバーとメニューが更新されました。
- 元に戻す、およびやり直しがサポートされるようになりました。
- モデル エレメントにツールチップが表示されるようになりました。モデル エレメントの上にマウス カーソルを配置すると、パラメータ値が表示されるようになりました。
- ModelBuilder 用に特に設計された新しいツールが 2 つあります。これらのツールは、反復とモデル専用ツールという 2 つの基本カテゴリに分類されます。これらのツールの詳細については、この後の 2 つのセクションをご参照ください。
- エレメント間のデフォルトの間隔が 30 から 15 に変更されました。
反復
- モデル内の反復や繰り返し実行するタスクで使用するために、新しく 12 の反復処理が追加されました。これらのうち 10 の反復処理は、ジオプロセシング ツールとして実装されます。
- 反復処理は、バージョン 10 より前の ArcGIS で提供されていた [モデル プロパティ] 内の一連のオプションに置き換わるものです。
- モデル内で反復処理を使用すると、9.3 の [モデル プロパティ] で設定された反復オプションは無効になり、デフォルト値 -1 が設定されます。これは、モデルが無限回反復されるか、(設定された回数ではなく)反復処理への入力の数だけ反復されることを意味します。
- 反復処理を含むモデルを Python スクリプトにエクスポートすると、スクリプトには反復ロジックが含まれなくなります。
新しい反復処理は次のとおりです。
- For では、指定された値の回数だけ、開始値と終了値が反復されます。これは、スクリプト/プログラム言語で使用される For と同じ機能を果たし、指定されたアイテム数だけ実行されます。
- While は、スクリプト/プログラム言語で使用される While と同じ機能を果たし、条件が True である間実行されます。
- フィーチャ選択の反復 ツールは、フィーチャクラス内のフィーチャに対して反復します。
- 行選択の反復 ツールは、テーブル内の行に対して反復します。
- フィールド値の反復 ツールは、フィールド内の各値に対して反復します。
- 複数値の反復 ツールは、入力値のリストを取得して、各値に対してモデルを実行します。
- データセットの反復 ツールは、ワークスペースまたはフィーチャ データセット内のデータセットに対して反復します。
- フィーチャクラスの反復 ツールは、ワークスペースまたはフィーチャ データセット内のフィーチャクラスに対して反復します。
- ファイルの反復 ツールは、フォルダ内のファイルを反復します。
- ラスタの反復 ツールは、ワークスペースまたはラスタ カタログ内のラスタに対して反復します。
- テーブルの反復 ツールは、ワークスペース内のテーブルに対して反復します。
- ワークスペースの反復 ツールは、フォルダ内のワークスペースに対して反復します。
モデル専用ツール
モデル専用ツールは ModelBuilder 内でのみ機能し、スタンドアロンのツールとしてや、スクリプト内では機能しません。モデル専用ツールは 7 つあり、このうちの 4 つ([値の収集]、[フィールド値の取得]、[パスの解析]、[停止])がバージョン 10 で追加されたものです。
- [値の計算] では、ユーザ指定の Python 式に基づいて、ツールのダイアログ ボックスに値が返されます。
- [値の収集] は、反復の出力値を収集するために設計されました。モデルを反復していない場合、[値の収集] は、ツールの入力として 1 つの出力を使用しても意味がないケース(マージ、アペンド、モザイク、インターセクト、ユニオンなど)で、リストを複数値に変換するために使用できます。
- [フィールド値の取得] では、入力からフィールド値を取得します。このツールは [フィールド値の反復処理] と異なり、1 つのフィールドから 1 つの値のみを取得するか、多数のレコードのあるテーブルのフィールドから最初の値を取得します。
- [ブランチのマージ] では、複数の論理分岐を 1 つの出力にマージします。
- [パスの解析] では、入力値をファイル、パス、名前、または拡張子に解析します。出力値は、その他のツールの出力名で行内変数として使用できる場合があります。
- [データの選択] では、親データ エレメントからエレメントを選択します。[データの選択] ツールは、フォルダ、ジオデータベース、フィーチャ データセット、またはカバレッジを出力するツールと一緒に使用されます。[データの選択] ツールでは、フィーチャクラスやテーブルなど、内部に格納されたデータにアクセスできます。
- [停止] ツールは、入力値が True または False に設定されている場合に、モデルを反復ループからモデルを出して終了させます。これは While 反復処理によく似た機能ですが、モデル内に While 反復処理やその他の反復処理を追加できない場合に、モデルを停止させるのに役立ちます。
[保存] ダイアログ ボックスに追加された、新しいツールボックスの作成ボタン
[ModelBuilder] ボタンを使用して作成された新しいモデル用に、[保存] ダイアログ ボックスに、新しいツールボックスを作成するボタンが追加されています。
削除された機能
ArcGIS 10 では、モデルを JavaScript および VBScript にエクスポートする機能が削除されています。
7/10/2012