シェープの内挿(Interpolate Shape)(3D Analyst)の仕組み
[シェープの内挿(Interpolate Shape)] ツールは、サーフェスから入力フィーチャの Z 値を内挿することによって、2D ポイント、ポリライン、またはポリゴン フィーチャクラスを 3D フィーチャクラスに変換します。入力サーフェスは、ラスタ、不整三角形網(TIN)、テレイン データセットのいずれかになります。
属性は入力から出力へコピーされます。
このツールの [メソッド] 引数を使用して、使用する内挿のタイプを指定します。入力サーフェスがラスタの場合、指定できるオプションは [共一次内挿法] のみです。この方法では、内挿ポイントを囲む 4 つの最近接セルの中心の加重平均が使用されます。入力サーフェスが TIN またはテレインの場合、リニア(デフォルト)、Natural neighbor、または 4 つの合成オプションのいずれかを選択できます。
リニア | 内挿ポイントを含む三角形を構成する 3 つのノードの加重平均を使用します。 |
Natural Neighbor | [Natural Neighbor] オプションでは内挿ポイントのボロノイ近傍を使用します。 |
Z の最小値を合成 | 入力ポイントの TIN またはテレインの自然近傍から Z 値を取得します。高さが最小となる近傍の Z 値が使用されます。 |
Z の最大値を合成 | 入力ポイントの TIN またはテレインの自然近傍から Z 値を取得します。高さが最大となる近傍の Z 値が使用されます。 |
最近隣の Z 値を合成 | 入力ポイントの TIN またはテレインの自然近傍から Z 値を取得します。X、Y の値が入力ポイントに最も近い近傍の Z 値が使用されます。 |
平均に最も近い Z 値を合成 | 入力ポイントの TIN またはテレインの自然近傍から Z 値を取得します。すべての近傍の平均高さに最も近い近傍の Z 値が使用されます。 |
[サンプル距離] は、ラインおよびポリゴンで使用する浮動小数点値です。[サンプル距離] を使用して、ライン上およびポリゴン境界上で内挿が発生する頻度を指定します。出力頂点の間隔がこの距離より大きくなることはありません。一般に、サンプル距離を小さくするほど頻度が増し、出力フィーチャ ジオメトリがサーフェスに近くなります。
入力サーフェスがラスタの場合、デフォルトでは、[サンプル距離] がセルサイズと等しく設定されます。これより小さい値指定することもできますが、セル サイズの 1/2 より小さくしないでください。解像度の制約により、サーフェスが追加情報を提供できません。また、サンプル距離を小さくするほど、より多くのリソースが必要になることも覚えておいてください。サンプル距離を 1 セルから 1/2 セルに切り替えると、精度の向上はわずかなのに対して、出力頂点数は 2 倍になります。距離を大きくすることもできますが、その場合、サーフェスに関して得られる情報が少なくなります。
入力サーフェスが TIN またはテレインの場合、デフォルトの [サンプル距離] はありません。サンプル距離を指定しない場合、元の頂点位置に加え、ラインやポリゴンが三角形のエッジと交差する箇所でラインおよびポリゴン境界がサンプリングされます。リニア内挿を使用する場合は、エッジと交差する箇所でのサンプリングが適しています。これによって、各三角形が平面である「リニア」サーフェスから、サンプリングが多すぎることも少なすぎることもなく、すべての情報を取得できます。
入力サーフェスが TIN またはテレインであり、[サンプル距離] を指定した場合、選択する内挿方法によってサンプリング処理が異なります。Natural Neighbor を使用する場合、サンプル距離に加え、ハード ブレークライン エッジと交差する箇所でフィーチャがサンプリングされます。リニア内挿法を使用する場合、サンプル距離に加え、三角形のエッジと交差する箇所でフィーチャがサンプリングされます。一般に、自然近傍を使用するときはサンプル距離を指定し、リニア内挿を使用するときはサンプル距離を指定しません。
次の表は、各内挿法とそれに適したサンプル距離をまとめたものです。
内挿法 |
サンプル距離 |
説明 |
---|---|---|
TIN/テレイン サーフェス - リニア内挿法 |
値を追加(オン) |
指定したサンプル距離、およびエッジとの交点に基づいて内挿されます。 |
TIN/テレイン サーフェス - リニア内挿法 |
空白のまま(オフ) |
エッジとの交点でのみサンプリングされ、内挿されます。通常、リニア内挿ではサンプル距離を使用しません。 |
TIN/テレイン サーフェス - Natural Neighbor 内挿法 |
値を追加(オン) |
指定したサンプル距離、およびハード エッジとの交点に基づいて内挿されます。自然近傍内挿法を使用する場合は、サンプル距離を設定することをお勧めします。 |
TIN/テレイン サーフェス - Natural Neighbor 内挿法 |
空白のまま(オフ) |
エッジとの交点に基づいて内挿されます。 |
ラスタ サーフェス - 共一次内挿法 |
空白のまま(オフ) |
セル サイズに基づいて内挿されます。 |
ラスタ サーフェス - 共一次内挿法 |
値を追加(オン) |
指定したサンプル距離に基づいて内挿されます。 |
必要であれば、[Z ファクタ] を使用して Z 単位を変換できます。出力 Z 値にこの係数が乗算されます。X、Y、Z の単位が入力サーフェスの空間参照で定義されており、座標系が測地系でない場合(10 進経緯度など)、Z 値が X、Y と同じ単位になるようにデフォルト値が計算されます。
[頂点のみを内挿] パラメータを選択した場合はサンプル距離が無視され、入力の頂点位置のみを使用して内挿されます。シェープのいずれかの頂点がサーフェスから外れている場合、そのシェープは出力に書き出されません。ただし、フィーチャの一部が実際にサーフェスから外れている場合でも、その部分に頂点がない場合は出力されます(線分の中間部など)。
設定やオプションにかかわらず、フィーチャ全体がサーフェスから外れている場合、そのフィーチャは出力に書き出されません。