TIN ベース サーフェスの概念
TIN サーフェス データ モデルは、ノード、エッジ、三角形、ポリゴン、およびトポロジから構成されています。
ノード
ノードは、TIN の基本的な要素です。ノードは、入力データ ソースに含まれるポイントとラインの頂点から作成されます。すべてのノードが TIN 三角形に組み込まれます。TIN サーフェス モデルのすべてのノードに、Z 値が必要です。
エッジ
すべてのノードは、エッジによって近傍セルと結合され、ドローネ三角形分割基準を満足する三角形を形成します。各エッジに含まれるノードは 2 つですが、1 つのノードが 2 つ以上のエッジを含む場合もあります。エッジの両端には Z 値を持つノードがあるため、ノードとノードをつなぐエッジに沿って傾斜角を計算できます。
TIN の作成に使用される入力データ ソースの各フィーチャは、サーフェスのフィーチャ タイプに応じて処理されます。ブレークライン フィーチャは、TIN 三角形分割のエッジとして常に維持されます。これらのブレークライン TIN エッジは、ハード エッジまたはソフト エッジのいずれかとして内部的にフラグされます。
三角形
三角形の各面は、TIN のサーフェスの部分的な振舞いを表します。三角形の 3 つのノードの X、Y、Z 座標値を使用して、傾斜角、傾斜方向、表面積、およびサーフェスの長さに関する情報を得ることができます。三角形全体を 1 つとして考えた場合、体積、サーフェスの断面、見通し解析などサーフェスに関する詳細情報を得ることができます。
各面は一定のサーフェスの振舞いを表すため、できるだけ実態に即したサーフェスになるように、サンプル地点を適切に選択することが重要です。サーフェスの重要な地域のサンプルを少なく設定した場合、TIN サーフェス モデルで作成される結果が実態と合わない可能性があります。
Hull
TIN の Hull は、TIN の作成に使用されたデータ ポイントをすべて含む 1 つ以上のポリゴンによって形成されます。Hull ポリゴンは、TIN の内挿のゾーンを定義します。Hull ポリゴンの内側またはエッジ上では、サーフェスの Z 値の内挿、解析の実行、およびサーフェス表示の生成が可能です。Hull ポリゴンの外側では、サーフェスに関する情報を得ることはできません。TIN の Hull は 1 つ以上のポリゴンによって形成できます。ポリゴンは凸包でない場合もあります。
凸包でない Hull は、TIN の構築中に CLIP および ERASE という除外フィーチャを含むことにより、ユーザが定義する必要があります。除外フィーチャは、サーフェスのエッジを明示的に定義します。Hull の定義に除外フィーチャを使用しなかった場合、TIN ジェネレータは TIN の境界エッジを定義する凸包を作成します。凸包は、TIN の 2 つのポイントを結ぶラインそれ自身が凸包の内側にあるかまたは凸包のエッジを定義する、というプロパティを持つポリゴンです。凸包でない Hull の定義は、凸包の内側以外、実際のデータ セットの外側にある TIN 地域に誤った情報が生成されないようにするために不可欠です。次の図を参照してください。
クリップ フィーチャを使用しなかった場合、正しくない値が陰影処理された地域に内挿されることがあります。
トポロジ
TIN のトポロジ構造は、各三角形のノード、エッジ数とエッジ タイプおよび他の三角形との隣接性を定義する情報を維持することによって定義されます。三角形ごとに、TIN は次の項目を記録します。
- 三角形の番号
- 隣接する三角形の番号
- 三角形を定義する 3 つのノード
- 各ノードの X、Y 座標
- 各ノードのサーフェス Z 値
- 各三角形エッジのエッジ タイプ(ハードまたはソフト)
また、TIN は TIN の Hull を形成するすべてのエッジのリストと、TIN の投影および測定単位を定義する情報を維持しています。
TIN の格納形態
ArcInfo カバレッジと同様、TIN はファイルのディレクトリとして保存されます。ただし、TIN はカバレッジではないため関連する INFO ファイルはありません。TIN ディレクトリは、TIN サーフェスに関する情報を含む 7 つのファイルで構成されます。これらのファイルはバイナリ形式でエンコードされ、標準のテキスト表示プログラムや編集プログラムでは読むことができません。