ドラフト モード
ドラフト モードは ArcGlobe でのみ利用でき、3D ビューのレンダリングとナビゲーションの速度を即座に向上します。これは、レイヤのプロパティの変更やキャッシュ データの無効化を行うことなく、ビューの品質を下げることにより行われます。
ドラフト モードは、カメラ アニメーションの初期設計時に特に便利です。たとえば、3D ビューの作成にすでに膨大な時間を費やしているものの、さらにビューの周囲を即座に移動してカメラのキーフレームを配置する必要がある場合などに利用できます。レイヤを非表示にしたり、シンボルを一時的に変更することなく、ドラフト モードを有効にすることで、高速のパフォーマンスでカメラ移動のプレビューや作成ができます。最終的なビデオを作成する準備ができたら、ドラフト モードを無効にするだけで済みます。
ドラフト モードは、オーバーライドのセットで動作します。レイヤ内ではプロパティは変更されず、各レイヤの読み取り後に適用されます。レンダリング速度の向上の度合いは、ドキュメントのレイヤ タイプ、および現在のシンボルのプロパティによって異なります。レイヤ タイプの中にはドラフト モードでプロパティが無効にならず、このためパフォーマンスが向上しないものがあります。
ArcGlobe ドキュメントでパフォーマンスが低下する理由には、さまざまなものがあります。ドラフト モードが対応するのは、その内の 5 つです。ドキュメントが他の要因による影響を受けている場合は、ドラフト モードを使用するときのパフォーマンスの向上度は非常に小さいことがあります。
ドラフト モードによるオーバーライドを以下に示します。
- 画像と標高データの詳細レベルを下げる。
- 3D マーカー シンボルを無効化。
- 3D オブジェクトのテクスチャを無効化。
- ベクタ ライン圧縮を無効化。
- フィーチャの一部を描画する。
これらのオーバーライドはそれぞれ、個別に、または組み合わせてドキュメントに適用できます。
上の図は、標準の 3D ビュー(左)とドラフト モードを有効にした同じ 3D ビュー(右)です。ドラフト モードにより、建築物のテクスチャの無効化、標高サーフェスの単純化、およびドレープしたイメージ データの解像度の低下が行われたことが分かります。
- [カスタマイズ] メニューをクリックし、[ArcGlobe オプション] をクリックします。
- [詳細レベル] タブをクリックします。
- [ドラフト モード] セクションの [有効化] オプションをオンにするか、オフにします。
- これらのチェックボックスをオンにしたり、オフにしたりすることにより、ドラフト モードで適用されるオーバーライド オプションを変更することもできます。
- [OK] をクリックします。
- また、[ツール] ツールバーの [ドラフト モード] ボタンによってもドラフト モードのオンとオフを切り替えることができます。ただし、この方法では、オーバーライドを変更することはできません。
- ドラフト モードのオプションは、ArcGlobe アプリケーションについて保存されます。各 ArcGlobe ドキュメントについて個別には保存されません。たとえば、[3D オブジェクトのテクスチャを無効化] をオフにすると、あるドキュメントを以前開いたときにこのオプションを有効にしていても、以降のドラフト モードの使用時にはオフの設定が引き継がれます。