Tablet PC テクノロジの概要
Tablet PC は、ペンを使って書き込んだり、操作したりできる画面を備えたモバイル PC です。Tablet PC の機能を使用すると次のようなことができます。
- デジタル ペンを使用して Tablet PC と Windows を操作
- 手書きの文書(テキストおよび描画)を作成して保存する。
- 手書きのメモを、他のアプリケーションで使用できるように入力テキスト データに変換する。
- 他のアプリケーションからインポートしたドキュメントにアノテーションを追加する。
- 音声によるテキストの入力や、コンピュータを制御する。
Tablet PC のユーザは、キーボードやマウスといった従来の入力方法に加えて、デジタルペンを使用してコンピュータを操作することができます。このペンはマウスと同じ機能も果たすので、ユーザ インタフェースの操作、ツールバーからのツール選択、オブジェクトの移動やサイズ変更、プログラムの起動などを実行することができます。物理的なペンを使用して、デジタル インクの色や幅を選択したり、太字や蛍光ペンなどの強調方法を使用することができます。
Tablet PC では、ジェスチャやペン フリックもサポートされています。画面上でペンを使用してジェスチャやペン フリックを作成することで、複数の異なるコマンドを実行したり、すばやく移動したり、ショートカットを実行することができます。ジェスチャはさまざまな共通のアクションやコマンドに使用できます。これは Tablet PC 画面上でペンまたはインク マークを動かすことで起動します。
Tablet PC は Windows XP Tablet PC Edition、Windows Vista、または Windows 7 オペレーティング システムで動作します。以前は Windows XP の Tablet PC のみで使用可能だった一部の機能は Windows Vista および Windows 7 に組み込まれ、その他のタイプのコンピュータでも使用できるようになっています。たとえば、ペンを使用したコンピュータ操作や手書き認識機能は、外付けのペン パッドを使用することで、Windows Vista または Windows 7 が動作するすべてのマシン上でも使用できます。
Tablet PC、モバイル機能、Windows の機能については、Microsoft Windows のホーム ページをご参照ください。
Tablet PC と ArcGIS
ArcGIS アプリケーションは Tablet PC デバイスで動作し、ArcGIS アーキテクチャに対するすべての拡張機能が動作します。このため、GIS アプリケーションの開発者は、ArcObjects コンポーネントベースのモバイル拡張機能を ArcGIS に構築できます。Tablet PC を使用すると、ArcGIS は GIS のモバイル コンピューティング ソリューションとなります。ArcGIS ユーザは、オフィスで使用している ArcMap や ArcCatalog などのツールやアプリケーションと同じものを使用して、社外でも ArcSDE ジオデータベースなどの空間データを更新することができるようになります。
デジタル ペンを使用して、ArcGIS のツールバーのボタンをクリックし、マップ上に描画することができます。このペンは本質的に、ポインタの動きの代わりを果たし、マウスのように機能します。Tablet PC の入力パネルは ArcMap とドッキングしており、キーボードと手書きパッドが含まれています。これによって ArcMap 内のダイアログ ボックスにテキストを入力できます。デジタル ペンは Tablet PC の画面の計測単位に対応しているので、マップ表示内で機能するための追加のキャリブレーションや座標の登録は必要ありません。ArcMap の [Tablet] ツールバーのツールやコマンドを使用すると、マップの上にデジタル インクを追加し、マップ ドキュメントの内部またはジオデータベース内にこのインクを格納することができます。ジェスチャを使用して ArcMap のインクを対話的に操作することもできます。
次に、ArcMap 内で [Tablet] ツールバーの [ペン] ツールを使用して描画されたインク グラフィックスをいくつか示します。
音声認識テクノロジを使用すると、マウス、キーボード、またはペンの代わりに、自分の声を使ってアプリケーションを制御できます。マイクを使用して、音声コマンドによって、エラーの修正、入力したテキストの書式設定、プログラムの制御などが実行できます。音声認識機能は、他のアプリケーションと同じように、ArcGIS でも使用できます。Esri のカスタム メニューが実装されていると、標準の音声認識コマンドは機能しませんが、音声入力は機能します。