ラスタ演算の詳細
[ラスタ演算] ツールを使用すると、ツールでマップ代数演算の式を作成して実行することができます。他のジオプロセシング ツールと同様に、Modelbuilder 内で[ラスタ演算] を使用することでマップ代数演算の機能をワークフローに組み込むことができます。
[ラスタ演算] ツールは、スクリプト環境での使用を想定しておらず、標準の Spatial Analyst ArcPy モジュールで使用することはできません。スクリプトとマップ代数演算の詳細については、「マップ代数演算とは」というヘルプ トピックをご参照ください。
[ラスタ演算] は、次の利点を提供するために設計されています。
- 1 行の代数演算式を実装できます。
- ModelBuilder で使用する場合に、マップ代数演算での変数の使用をサポートします。
- 1 つの式で 3 つ以上の入力に Spatial Analyst の演算子を適用できます。
- 1 つの式で複数の Spatial Analyst ツールを使用できます。
[ラスタ演算(Raster Calculator)] は、複数のツールと演算子を使用した 1 行の代数演算式を、シンプルな演算ツールのインタフェースを使用して実行するように設計されています。複数のツールまたは演算子を 1 つの式で使用すると、これらの演算子やツールをそれぞれ個別に実行する場合より、この方程式によるパフォーマンスがはるかに向上します。
ラスタ演算ツールの使用
マップ代数演算式の作成に使用するツールのダイアログ ボックスは、主に 4 つの領域から構成されます。
レイヤと変数
[レイヤと変数] 入力リストは、マップ代数演算式で使用できる入力値を示します。ツールを単独で使用する場合は、このリストにコンテンツ ウィンドウのレイヤが含まれます。ツールを ModelBuilder で使用する場合は、このリストにコンテンツ ウィンドウのレイヤ、モデル内で作成された出力、およびその他のモデル変数が含まれます。
数値入力ボタンと演算子ボタン
数値入力ボタンを使用すると、式に数値を入力することができます。演算子ボタンを使用すると、算術演算子(加算、除算など)と論理演算子(大きい、等しいなど)を式に入力することができます。これらのボタンをクリックすると、その数字や演算子がカーソルを置いている式に入力されます。式が正しいマップ代数演算の構文規則のルールに準拠していることを確認してください。
ツール
ツール リストでは、マップ代数演算式で使用できるツールを簡単に選択することができます。リスト内のツールをクリックすると、ツール名および開き括弧と閉じ括弧 [()] が、カーソルを置いている式に入力されます。その後、ツールで必要とされるその他の入力項目を入力します。ツールは、式のどの部分にも配置できますが、マップ代数演算の有効な構文を作成する位置に挿入する必要があります。
式
この式は、実行されるマップ代数演算式です。式は、有効な構文で入力する必要があります。マップ代数演算の構文規則の詳細については、次のセクションをご参照ください。
マップ代数演算の言語
マップ代数演算はシンプルで強力な代数演算であり、これを使用して Spatial Analyst のすべてのツール、演算子、関数を実行し、地理解析を行うことができます。
[ラスタ演算] で使用するマップ代数演算には構文(一連の規則)があり、これに従って有効な式を作成する必要があります。これらの規則が守られていない場合は、式が無効となり実行されないか、または予期しない結果が生じることがあります。
マップ代数演算には、[ラスタ演算] ツールからアクセスできるだけでなく、Spatial Analyst モジュールを使用して Python スクリプトでもアクセスすることができます。このツールで使用されるマップ代数演算の構文は同じですが、次の例外があります。
- 式に出力ラスタ名または等号(=)を入力する必要はありません。出力名は、[出力 ラスタ] パラメータに指定されるためです。
- 演算子を使うときに、入力データをラスタ オブジェクトとしてキャストする必要はありません。
マップ代数演算の詳細については、以下のトピックをご参照ください。