ゾーン統計（Zonal Statistics）の詳細
[ゾーン統計（Zonal Statistics）] ツールでは、ゾーン データセットで指定された各ゾーンにおける、別のデータセット（対象ラスタ）の値に基づく統計情報が計算されます。入力ゾーン データセットのゾーンごとに、出力値が 1 つ計算されます。
[ゾーン統計をテーブルに出力（Zonal Statistics as Table）] ツールは特定の入力に有効なすべて、サブセット、または 1 つの統計情報を計算しますが、結果を出力ラスタではなく、テーブルで返します。
ゾーンは同じ値を持つラスタのすべてのセルで、連続しているかどうかは関係ありません。入力ゾーン レイヤは、ゾーンの形状、値、および位置を指定します。ゾーンを定義するには、ゾーン入力の整数フィールドを指定します。文字列フィールドを使用することもできます。ラスタ データセットとフィーチャ データセットの両方をゾーン データセットとして使用することができます。
入力値ラスタには、各ゾーンの出力統計情報の計算に使用される入力値が含まれます。
次の図では、ゾーン レイヤはゾーンを定義する入力ラスタを表しています。値レイヤには、ゾーンごとの統計情報の計算に使用される入力が含まれています。この例では、値入力の最大値がゾーンごとに特定されます。
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ゾーン統計（Zonal Statistics）の入力と出力の例 |
出力データ タイプ
出力データ タイプは、選択された統計情報の種類と入力値タイプの両方によって決定されます。次の表は、出力可能なラスタのデータ タイプを示しています。
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統計情報 |
ゾーン入力タイプ |
値入力タイプ |
出力 |
|---|---|---|---|
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最頻値 |
整数または文字列 |
整数 * |
整数 |
|
最大値 |
整数または文字列 |
整数、Float |
値入力と同じ |
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平均値 |
整数または文字列 |
整数、Float |
Float |
|
中央値 |
整数または文字列 |
整数 * |
整数 |
|
最小値 |
整数または文字列 |
整数、Float |
値入力と同じ |
|
最少頻値 |
整数または文字列 |
整数 * |
整数 |
|
範囲 |
整数または文字列 |
整数、Float |
値入力と同じ |
|
標準偏差 |
整数または文字列 |
整数、Float |
Float |
|
合計値 |
整数または文字列 |
整数、Float |
Float |
|
種類 |
整数または文字列 |
整数 * |
整数 |
ゾーン データセットのセル位置が NoData の場合は、その位置の出力に NoData が割り当てられます。
最頻値
- 各ゾーン内の最も頻出する値が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
- 最頻値が複数ある場合は、最小値が採用され、その値がゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Majority") |
最大値
- 各ゾーン内の最大値が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Maximum") |
平均値
- 各ゾーン内の値の平均値が、そのゾーン内のすべての出力セルに割り当てられます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Mean") |
中央値
- 各ゾーン内の値の中央値が、そのゾーン内のすべての出力セルに割り当てられます。
- 中央値を計算するため、ゾーン内のすべてのセルがランク付けされます。ゾーン内に n 個のセルがあり、n が奇数の場合、ゾーン内の各セルに中央（n/2 番目）の値が書き込まれます。偶数のセルがある場合は、（n/2）- 1 番目の値が出力されます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Median") |
最小値
- 各ゾーン内の最小値が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Minimum") |
最少頻値
- 各ゾーン内の最も頻出しない値が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
- 最少頻値が複数ある場合は、小さい方の値が採用され、その値でゾーンが埋め尽くされます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Minority") |
範囲
- 各ゾーン内の最大値と最小値の差が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
- 範囲は次のように定義されます。
ゾーンの範囲 = ゾーンの最大値 - ゾーンの最小値
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Range") |
標準偏差
- 各ゾーン内の値の標準偏差が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
- 標準偏差の式は次のとおりです。
注意:標準偏差は、サンプルから推定される（N - 1 法）のではなく、母集団全体で計算されます（N 法）。（つまり、標準偏差の計算は、Microsoft Excel の STDEV ではなく、STDEVP の方法と同じです。）
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "STD") |
合計値
- 各ゾーン内のすべてのセル値の合計が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
- 出力ラスタのデータ タイプは、浮動小数点です。これは、合計の値は非常に大きくなる傾向があり、整数値で表すことができない場合があるためです。
たとえば、1 つのゾーンに 2,500 個のロウと 2,500 個のカラムのセルがあり、各セルの値が 1,000 である場合、このゾーンの合計値は、2,500 x 2,500 x 1,000 = 62.5 億になります。整数値の出力が必要で、その範囲が ± 21.47 億以内の場合は、[Int] ツールを適用することができます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Sum") |
種類
- 各ゾーン内の個別値の数が、そのゾーン内のすべてのセルに割り当てられます。
例:
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OutRas = ZonalStatistics(ZoneRas, "VALUE", ValRas, "Variety") |