サーフェスの平滑化 (Fill)の詳細
シンク(およびピーク)は、データの解像度や、最も近い整数値への標高値の四捨五入による、エラーであることがよくあります。
集水域と河川を正しく作図するには、シンクを平滑化する必要があります。シンクを平滑化していないと、得られた河道ネットワークは不連続になる可能性があります。
[サーフェスの平滑化 (Fill)] ツールは、[フォーカル フロー(Focal Flow)]、[流向ラスタの作成(Flow Direction)]、[窪地の抽出(Sink)]、[集水域ラスタの作成(Watershed)]、および [ゾーン フィル(Zonal Fill)] など、いくつかの同等のツールを使用して、シンクを見つけ平滑化します。指定した Z 制限内のすべてのシンクが平滑化されるまで、この処理が繰り返されます。シンクを平滑化すると、平滑化したエリアの境界に他のシンクを作成できます。それらのシンクは、次の繰り返しで削除されます。
[サーフェスの平滑化 (Fill)] ツールはピークの削除にも使用できます。ピークは、周囲のサーフェスの傾向から予測される高さより標高が高い誤ったセルです。
SDTS USGS ではない、解像度が 30 m の DEM では、0.9 ~ 4.7 % のセルがシンクになることが Tarboton 等(1991)によって発見されています。これらのシンクの平均調整範囲は 2.6 ~ 4.8 メートルです。つまり、1,000 x 1,000 のセル グリッド(百万セル)の場合、9,000 ~ 47,000 のシンクを平滑化することになります。他の DEM データ ソースでは、サーフェスの処理方法に応じて、シンクの割合がさらに多かったり少なかったりします。
例
深さが 100 メートル未満のシンクをすべて平滑化する場合、[サーフェスの平滑化 (Fill)] ツールの設定は次のようになります。
入力サーフェス ラスタ: 標高
出力サーフェス ラスタ: fill_ras1
Z 制限:100
リファレンス
Tarboton, D. G., R. L. Bras, and I. Rodriguez–Iturbe.1991. "On the Extraction of Channel Networks from Digital Elevation Data."Hydrological Processes 5: 81–100.