NDVI 関数

正規化植生指標(NDVI)は、植生の有無・活性度を表す標準化された指標(相対バイオマス)です。この指標は、マルチスペクトル ラスタ データセットの 2 つのバンドの特性のコントラストを活用しています。具体的には、赤色のバンドにおけるクロロフィル色素の吸収と、近赤外(NIR)バンドにおける植物の細胞構造による高い反射特性を利用しています。

NDVI は、世界規模での干ばつや農業生産量のモニタリングと予測、火災危険ゾーンの予測支援や砂漠化の把握などに頻繁に使用されます。また、NDVI は、照度条件、地表面の傾斜角度、傾斜方向やその他の外的要素の影響を補正できる点から、世界規模の植生モニタリングに適しています(Lillesand 2004)。

植物が持つ太陽放射エネルギーのスペクトル反射特性を利用し、赤色のバンドと近赤外(NIR)バンドの反射量の差分から植物の成長密度や活性度を監視できます。緑の葉は、一般に、目に見える波長範囲よりも近赤外の波長範囲でよく反射します。植物が水分の欠乏によるストレスや病気、枯死しているような場合、植物の黄色の色合いが強くなり、近赤外範囲の反射が著しく減少します。雲、水、雪は、近赤外の範囲よりも可視領域での反射が大きくなります。岩や(むき出しの)地表面では反射の差はゼロに近くなります。NDVI 処理では、主に植生の活性度を表すシングルバンド データセットが作成されます。負の値は、雲、水、雪を表し、ゼロに近い値は岩や地表面を表します。

提案されているデフォルトの NDVI 計算式は以下のとおりです。

NDVI = ((IR - R)/(IR + R))

この指標は -1.0 ~ 1.0 の間の値を出力し、主に緑を表します。負の値は主に雲、水、雪から生成され、ゼロに近い値は主に岩や地表から生成されます。NDVI の値が非常に低い(0.1 以下)場合、岩、砂、または雪に覆われた不毛地帯を表しています。中程度の値(0.2 ~ 0.3)は低木や草原を表し、高い値(0.6 ~ 0.8)は温帯林および熱帯雨林を示しています(参照: http://earthobservatory.nasa.gov/Library/MeasuringVegetation)。

ArcGIS で使用しているNDVIの計算式は以下のとおりです。

NDVI = ((IR - R)/(IR + R)) * 100 + 100

この式の結果は 0 ~ 200 の範囲の値になり、符号なし 8 ビットデータの構造に適合します。

以下に、Landsat 7、4、3 バンドの組み合わせの例(左)と、同じ領域の農業活動を強調表示するカラー マップを使用した NDVI の例(右)を示します。

Landsat 7、4、3 バンドの組み合わせNDVI の例

この関数に対する入力は次のとおりです。

NDVI カラー ランプを使用して表示するには、カラーランプ関数を使用します。

関連項目


7/10/2012