ラスタ データセット カラーマップの重要な概念
カラーマップとは、色に関連付けられた一連の値のことです。カラーマップは、シングルバンド ラスタを常に同じ色で表示するために使用されます。各ピクセル値には、赤、緑、青(RGB)の値として定義された色が関連付けられます。各値には明確な色が関連付けられるため、カラーマップ付きのラスタを読み取ることができるプログラムで開くたびに、常に値が同じ方法で表示されます。カラーマップは 16 ビット データまで対処することができます。
デフォルトでは、カラーマップを持つラスタ データセットは常に関連するカラーマップを使用して表示されます。ラスタ データセットの表示を変更したい場合は、[カラーマップ レンダリング] パネル(ラスタ データセットの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブからアクセスできます)で単に色を変更するか、または個別値レンダリングを使用します。さまざまな種類のレンダリングの詳細については、「ラスタ データの表示に使用するレンダリング」をご参照ください。
ラスタ データセットにカラーマップが関連付けられているかどうかを簡単に確認するには、ArcCatalog の [ラスタ データセット プロパティ]、または ArcMap の [レイヤ プロパティ] を開きます。ラスタ データセットに関連付けられたカラーマップがある場合は、カラーマップ プロパティが存在します。
カラーマップは、ラスタ形式に応じて、さまざまな方法でラスタ データセットに関連付けられます。*.bil、*.bip、または *.bsq など、一部のラスタ形式では、ラスタの補助ファイルにカラーマップ情報を格納します。*.img、*.tif、または ArcSDE など、ラスタ データセット内部にカラーマップ情報を格納する形式もあります。
ジオプロセシング ツールを使用して、ラスタ データセットのカラーマップのコピーや削除を行うことができます。[カラーマップの追加(Add Colormap)] ツールを使用すると、既存のラスタ データセットのカラーマップ スキーマ(*.clr ファイルまたは *.act ファイル)を別のラスタ データセットにコピーすることができます。[カラーマップの削除(Delete Colormap)] ツールを使用すると、既存のラスタ データセットからカラーマップを削除することができます。すべてのラスタ形式でこれらのジオプロセシング ツールを適用できるわけではありません。カラーマップをサポートできる形式については、技術仕様をご参照ください。ArcObjects プログラミングを使用して、カラーマップをさらに制御することもできます。
アプリケーションには、ArcGIS によって変更できない方法で内部カラーマップを書き込むものもあります。これは、一部の IMG ファイルや TIFF ファイルで行われます。このため、これらのカラーマップは [カラーマップの削除(Delete Colormap)] ツールで削除することはできません。
[赤]、[緑]、[青] のフィールドを含むラスタ属性テーブルは有効なカラーマップではないため、[カラーマップの削除(Delete Colormap)] ツールを使用して削除することはできません。