ファブリック インポータ エンジンの動作変更
このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。
いくつかのレジストリ設定を指定して、パーセル ファブリック インポータ エンジンの動作を制御できます。曲線の計算方法、インポート時に内部で処理する土地区画の数などを指定できます。また、[ファブリック データのインポート] ウィザードのログ ファイルに、インポートの開始時刻と終了時刻を表示することもできます。
曲線の設定
曲線の表示を設定
土地区画データをパーセル ファブリックへ移行する際、曲線の計算方法を制御できます。デフォルトでは、移行した土地区画のラインを使用して曲線が計算され、表示されます。パーセルを開くと、これらの曲線の計測値に基づいて曲線が表示されます。
移行を行っている間に、曲線が計算されて 2 点間に表示されるように、もしくは、計算されて 1 点で表示されるように指定することが可能です。2 点間に表示される曲線は記録された値を使用しますが、曲線は常に 2 点間にあります。1 点を使用して表示される曲線は、始点とその計測値のみを使用します。記録値を使用して、カーブは 1 つの点から「同様に」表示されるので、データ中の不正な曲線やその他の問題を見つけるには、点を使用して曲線を作成することをお勧めします。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「COGOShape」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドで、パーセル ラインの形状から曲線を作成する場合は「COGOShapeStorage」と入力し(デフォルト)、2 つの点を使用して曲線を作成する場合は「ConstructionUsingTwoPoints」と入力し、1 つの点を使用して曲線を作成する場合は「ConstructionUsingOnePoint」と入力します。
- [OK] をクリックします。
半径が長いライン
パーセルのグループでファブリックの最小二乗アジャストを実行する場合、半径が長くて曲がり方が緩やかな曲線があると、調整が失敗する原因になります。これは、大変緩やかな曲線に対してわずかな調整を行うと、長い半径をもつ緩やかな曲線の中心点が大幅に調整されることになるためです。assignAccCat7toRadialLineGreaterThanXMeters レジストリ キーを使用して、半径が長いラインがファブリック アジャストの結果に影響を及ぼさないようにできます。レジストリでは、このキーで指定した値より半径が大きいラインに対して正確度カテゴリ 7 が割り当てられます。ラインもしくはパーセルに精度 7 が適用された場合、ファブリック アジャストの結果に影響を及ぼすことはありません。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「assignAccCat7ToRadialLineGreaterThanXMeters」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドに値を入力します(単位はメートル)。デフォルト値は 500 メートルです。
- [OK] をクリックして、レジストリ キーを作成します。
頂点が密集した線分を変換
移行対象のデータに細かい線分の集まりが含まれている場合、それらを、指定した許容値または係数を満たす曲線に変換するためのレジストリ キーを定義できます。この許容値または係数は、細かい線分と曲線との最大オフセット距離です。細かい線分の集まりが指定した許容値内に曲線を形成しない場合、その線分はライン(自然境界)としてインポートされます。
この過程で、細かい線分の集まりの各頂点と曲線との距離が比較されます。この距離が「XYTolerance x 係数」より小さい場合、その細かい線分は変換されます。ここで使用する係数はユーザが指定する値で、デフォルト値は 100 です。使用するレジストリ キーは CurveDetectOffsetXMultipliedByDatasetTolerance です。このレジストリ キーはもう 1 つのレジストリ キーと合わせて使用され、許容値の上限を定義します。「XYTolerance x 係数」が大きい場合、指定した最大許容値までの線分のみが変換されます。2 番目のレジストリ キーは CurveDetectOffsetMaxMetersTolerance であり、デフォルト値は 0.5 メートルです。
細かい線分の集まりに存在する頂点が 3 個以下である場合、その線分は曲線としてインポートされません。
これら 2 つのレジストリ キーを追加するには、次の手順に従います。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「CurveDetectOffsetXMultipliedByDatasetTolerance」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドに係数または許容値を入力します。デフォルトは 100 です。
- [OK] をクリックします。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [文字列値] をクリックします。
- 文字列名として「CurveDetectOffsetMaxMetersTolerance」と入力します。
- [文字列] をダブルクリックして編集します。
- [文字列の編集] ダイアログ ボックスで、[値のデータ] テキスト ボックスに許容値を入力します。デフォルト値は 0.5 メートルです。
- [OK] をクリックして、レジストリ キーを作成します。
インポートの設定
隣接するパーセルの内部処理数を設定
インポート処理中、パーセルは 500 レコード単位で内部的にバッチ処理されます。コンピュータ システムの処理速度に応じて、この内部バッチ処理数を調整できます。
以下の手順に従って、内部的にバッチ処理する個数を変更します。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「MaxBatchParcelsToRead」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドに、1 ~ 995 の任意の値を入力します。デフォルトは 500 です。
- [OK] をクリックして、レジストリ キーを作成します。
隣接していない土地区画のインポート
隣接していない、点在する複数の土地区画を既存のファブリックへインポートする場合、パフォーマンスを向上するには MaxParcelsToCreateFilterMesh レジストリ キーを定義します。隣接するシームレスな土地区画をインポートする場合は、このキーを定義する必要がありません。MaxParcelsToCreateFilterMesh によって、移行するパーセル ポイントの数に応じてメッシュが作成されます。メッシュは各ポイントの周囲にある、最小の広がりおよびその延長を持ちますが、これが許容値をスナップするポイントのサイズです。メッシュは、移行しようとする散在したポイントをファブリックにある既存のポイントへスナップするのに使用されます。移行対象のデータにポイントが 2001 個以上ある場合、メッシュは読み込まれません。そのため、レジストリ キー値として 500 ~ 2000 を入力することをお勧めします。レジストリ キーは、ポイントを多く含むエリアのファブリック(ポイントが密集している)へデータをインポートする場合にも便利です。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「MaxParcelsToCreateFilterMesh」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドで、500 ~ 2000 の任意の値を入力します。
- [OK] をクリックして、レジストリ キーを作成します。
インポートの開始時刻および終了時刻をログ ファイルに表示
WriteExtendedLogfileTimeInfo レジストリ キーを使用して、[ファブリック データのインポート] ウィザードのログ ファイルに開始時刻と終了時刻を表示できます。開始時刻と終了時刻は、ある特定数の土地区画をパーセル ファブリックへインポートするのに必要な時間を監視するのに便利です。デフォルトでは、開始時刻と終了時刻がログ ファイルに表示されません。
- Windows の [スタート] メニューをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスで、「Regedit」と入力します。
- HKEY_CURRENT_USER \\Software\\ESRI\\Desktop10.0\\ArcMap\\Cadastral に移動します。
- [Cadastral] フォルダを右クリックし、[新規] をポイントして [DWORD 値] をクリックします。
- DWORD 名として、「writeExtendedLogfileTimeInfo」と入力します。
- [DWORD] をダブルクリックして編集します。
- [10 進数] オプションを選択します。
- [値のデータ] フィールドで、True の場合は「1」、False の場合は「2」を入力します。
- [OK] をクリックして、レジストリ キーを作成します。