パーセル ファブリックとは
このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。
パーセル ファブリックは、土地区画を格納、管理、編集するのためのデータセットです。パーセル ファブリックは、フィーチャ データセットの中に作成され、その空間参照はフィーチャ データセットから継承します。
パーセル ファブリックは、つながった土地区画の連続的な面(パーセル ネットワーク)を格納します。ファブリック内の区画は、ポリゴン フィーチャ、ライン フィーチャ、ポイント フィーチャで定義されます。ポリゴンは一連の境界線から成ります。境界線は、ライン テーブルで属性として計測値を保持します。土地区画(パーセル)ラインの計測値は、理想としては、登記上や調査上、または計画上の登録された計測値と一致させるべきです。
土地区画ポリゴン間に、土地区画でないすきま部分(道路など)がある場合は、接続線でつなぎます。すべての区画が、互いに隣接しているかまたは接続線でつながっているため、結果として、1 つの大きな土地区画網(パーセル ファブリック)ができあがります。土地区画ラインには端点があり、その端点は土地区画の角です。土地区画の角のポイントは、ネットワーク内で互いに隣接する土地区画境界線で共有されます。これによって接続性が確立され、内部のトポロジ整合性が維持されます。
パーセル ファブリックはこれらの主要なフィーチャで構成されています。
- パーセル ライン : 記録した土地区画境界の計測値を保存および維持します。
- パーセル ポイント : 最小二乗アジャストで取得した X、Y、Z 座標を保存します。
- パーセル ポリゴン : パーセル ラインによって定義されます。
- ライン ポイント : 隣接する土地区画の境界に位置する土地区画の角に位置するポイントです。
- コントロール ポイント : 物理的な位置について、正確な、公開済みの座標を持ちます。
- プラン(テーブル) : 測定記録を保存します。
- パーセル ファブリック ジョブ(テーブル) : パーセル ファブリックに対する編集をトラッキングします。
- 正確度(Accuracy)(テーブル) : 最小二乗アジャストで、パーセルのウェイトを指定します。
- アジャスト ベクトル(テーブル) : 最小二乗アジャストで取得した一連の変位ベクトルを保存します。
空間的な正確度
パーセル ファブリックでの空間的な正確度(Accuracy)は、ファブリックの最小二乗アジャストで改善され、維持されます。コントロール ポイントは登記上の計測値とともに処理され、新しくてよりランクの高い土地区画の角の座標が得られます。ラインの計測値は変わらず、ファブリック ポイントの座標が更新されます。その結果、正確な座標に基づいた地籍システムが得られます。
パーセル ファブリックは、これに重なるフィーチャクラスのベースマップとなります。建物ポリゴンや水道管のようなフィーチャクラスは土地区画境界線を基準として構築されます。パーセル ファブリックを調節すると、フィーチャクラスとパーセル ファブリックの位置が互いにずれます。一般的なフィーチャとパーセル ファブリックの正しい位置関係を回復するには、最小二乗アジャストの結果から得られた座標をジオデータベースの変位ベクトルとして取得および格納します。次に、その変位ベクトルがフィーチャに適用されます。ベクトルに従ってフィーチャがゴムシートのように引き伸ばされ、あるいは縮められます。これによって、パーセル ファブリックとフィーチャの位置関係が復元します。このようにして、正確な座標をもつパーセル ファブリックと、その上に載るフィーチャとの、正しい位置関係を維持することができます。
パーセルの履歴
パーセル ファブリックは、あるエリアの測量記録を可視化したものです。パーセル ファブリックの土地区画境界線の計測値は、測量記録の計測値と一致します。パーセル ファブリックの計測値は、区画の分割や再調査などの測量記録の変更を受けて編集されます。新しい測量記録で区画が編集または置換される場合、元の区画が履歴として保持されます。 つまり常に元の測量記録は維持されます。