テレイン データセットに対するデータベース サポート
テレイン データセット、およびその定義に使用されるデータは、ジオデータベースに格納されます。これは、その他すべての GIS データの格納方法と同じです。データベース以外ではファイルに格納できるだけなので、テレイン データセットを何か特別なものとして扱う必要はありません。このため、データ管理は単純で、生産性に優れています。テレインには、ジオデータベースのデータベース管理機能がそのまま適用されます。
ArcSDE、パーソナル、およびファイル ジオデータベースがサポートされています。このため、中央データベースへの高度なマルチユーザ アクセスを必要とする大規模な組織だけでなく、個々のユーザがプロジェクト データにアクセスする小規模な組織にも対応します。パーソナル ジオデータベースは最も性能が低く、ポイント数が 2,000 万以下のテレインに制限されます。ファイル ジオデータベースは、数十億ものポイントを持つテレインに使用することができます。ArcSDE は最も性能が高く、ポイント セットが数十億規模のテレインに適しています。
元のベクタ ソース データに適用されているデータベース テクノロジは、地形図や測深図を継続的に管理するための優れたソリューションを提供します。出力されたラスタではなく、ソース計測値が格納されます。計測値を直接編集してエラーを取り除くことができ、最新のデータやより正確なデータに置き換えることができます。更新はサブエリアで実行することができます。日常的な解析に使用されるラスタや TIN サーフェスを簡単に作成することができます。このため、テレインをデータ管理ツールとして捉えることができます。テレインを使用してソース データを保持および管理し、必要に応じてエンド ユーザ製品(たとえば、DEM)を作成することができます。
ジオデータベースの考慮事項
テレイン データセットは、ArcGIS によってサポートされるすべてのジオデータベース形式でサポートされます。これらの格納メカニズムは、それぞれ性能に違いがあります。パーソナル ジオデータベースは 2GB のサイズに制限され、座標値は圧縮されません。これらの制約により、パーソナル ジオデータベースに 2,000 万ポイントを超えるテレインを格納することはできません。ファイル ジオデータベースでは、それよりも大きなデータセットをサポートすることができます。テレインを長期にわたって編集および管理する必要があり、特にデータセットのサイズが大きい場合は、ArcSDE が最も適しています。
ジオデータベースへの大量のポイントの格納
自動センサーは、大量のポイントを生成する傾向にあります。LIDAR とマルチビーム SONAR テクノロジも例外ではありません。ポイントごとにデータベース行を割り当てると負荷が高くなってしまい、法外なアクセス時間と格納領域が必要になります。この障害を克服するために、テレイン データセットと関連するインポート/格納ツールはポイントをマルチポイント シェープにグループ化します。
マルチポイントは、複数のポイントを表すために使用できるジオメトリ タイプです。数千個ものポイントを個々のシェープにグループ化することができます。ジオデータベースは、それらを格納するためにマルチポイント フィーチャクラスをサポートしています。このため、数千個のレコードに数百万ものポイントを格納することができます。この方法でポイントごとに属性を管理するのは簡単ではありませんが、一般に、この種のポイントはそれが必要になるような地理フィーチャを表しません。サーフェス ジオメトリをサンプリングするために、単に X、Y、Z 座標値を記録するだけです。ただし、例外がいくつかあります。
LIDAR データはポイントごとに情報を伝えることができます。この種の情報は、一般に、データ コンシューマよりもデータ プロバイダに役立ちますが、この情報を GIS データベースに格納しなければならないこともあります。その場合は、LAS 形式のファイルの LIDAR 属性を値の配列に挿入し、BLOB(Binary Large Object)として管理することができます。情報は BLOB 形式なので、それにアクセスするにはテレイン固有のツールが必要になりますが、必要であれば属性も格納することができます。
ジオデータベース内のテレイン データの整理
構成の基本原理は、テレインがフィーチャ データセット内に存在し、それらの計測値が同じフィーチャ データセット内に存在するフィーチャクラスから得られることです。このため、許容値と解像度を含め、空間参照が正しく定義されたフィーチャ データセットが必要です。
データセットの空間参照は、投影座標系を使用して定義する必要があります。三角網、内挿、傾斜解析、可視領域はすべて、XY 座標が直交(デカルト)座標系であることを想定します。地理座標系の使用はサポートされていません。
フィーチャ データセットを作成した後、テレイン計測値を 1 つ以上のフィーチャクラスに追加する必要があります。テレイン データセットの値を設定できる 3D 対応データの種類はさまざまです。
次に、ソース データの一般的な例を示します。
- 写真測量でのスポットの高さと標高点:サーフェス固有の高低ポイントのステレオ画像と、対象範囲とコントロールを提供するために、近似最小間隔内で収集されたポイントから編集された 3D ポイント。
- 写真測量ブレークライン:傾斜角に明確な途切れのある線形フィーチャ(たとえば、湖の汀線や沿道)を表すステレオ画像から編集された垂直部分のない 3D ライン。
- LIDAR:地面、植物、および建物の高さを計測する(ヘリコプターまたは飛行機に搭載された)空中レーザー システムから取得したポイント。多くの場合、地表のサーフェス モデルを定義する地面ポイントだけを残すようにフィルタリングされます。
- SONAR:音波を使用して深度を計測し、水深図に使用するためにシステム(ボートまたは潜水艦)から取得したポイント。
データが ASCII 形式のファイルに含まれている場合は、[ASCII 3D → フィーチャクラス(ASCII 3D to Feature Class)] ツールを使用して、データをインポートします。データが LAS 形式のファイルに含まれている場合は、[LAS → マルチポイント(LAS to Multipoint)] ツールを使用して、データをインポートします。