Manager で使用可能なマップ リソース プロパティ
「Manager の Web アプリケーションへのマップ リソースの追加」の説明に従ってレイヤを追加したら、マップ リソースの名前、透過表示、レイヤの位置などのプロパティを設定することができます。次のプロパティが利用できます。
- 名前 - コンテンツ ウィンドウに表示されるマップ リソースの名前。このプロパティを使用して、サービス名を上書きすることができます。
- 表示 - このプロパティをチェックすると、Web アプリケーションの開始時にマップ リソースが描画されます。
- 透過 - 下のマップ リソースが見えるよう、マップ リソースに適用される 0 ~ 100% の透過率。デフォルトでは、最後部以外のレイヤの背景はすべて透過表示となります。マップ リソースの背景に適用されるデフォルトの透過表示設定を変更したい場合は、Visual Studio で MapResourceManager コントロールを構成することができます。
- リクエスト イメージ - サーバからリクエストするイメージのタイプ。イメージ形式の選択リストは静的であり、使用しているサービスのタイプ(MXD ベースの ArcGIS Server、MSD ベースの ArcGIS Server、ArcIMS など)によっては、一部の形式は使用できない場合があります。サービスがサポートしないイメージ形式を選択すると、サーバによってデフォルトのイメージ形式に戻されます。
たとえば、アンチエイリアスを使う MSD ベースのサービスを使用している場合、最適な表示品質を得るためには PNG 32 イメージ形式を選択する必要があります。しかし、PNG 32 は MXD ベースのサービスには使用できません。MXD ベースのサービスに PNG 32 を選択すると、サーバによってデフォルトの PNG 24 に戻されます。
- データ フレーム - ArcGIS Server レイヤの場合、マップで使用するデータ フレームの名前。
- シームレス画面移動 - このプロパティをオンにすると、シームレスな表示を作成するために画面移動しながら、レイヤが再描画されます。オフにすると、レイヤは画面移動が停止したときだけ再描画されます。シームレス画面移動を無効にすると、1 つのイメージだけがリクエストされるため、パフォーマンスが向上します。
ArcGIS Server 9.3 Service Pack 1 またはそれ以降を持っている場合には、Manager でシームレス画面移動を設定するだけです。それ以外の場合には、Visual Studio の [マップ リソース 表示設定 エディタ] で [ダイナミック タイル] プロパティを使用します。詳細な手順については、開発者ヘルプで MapResourceManager コントロール の使用法に関するトピックをご参照ください。
マップ リソースの順序を変更するには、[現在のマップ リソース] リストと [マップ リソース プロパティ] リストの間にある矢印を使用します。
レイヤ内のサブレイヤのプロパティの設定
マップ リソース内のレイヤをクリックすると、そのレイヤの追加プロパテイが表示されます。これらのプロパティは、シンボル、レコード、フィールドの 3 つのカテゴリに分類されています。これらのプロパティを使用して、レイヤ内のフィーチャの属性情報を描画および表示する方法を指定することができます。Web マッピング アプリケーションは、フィーチャを識別し、タスク結果をマップチップとして表示するときに、これらの設定を使用します。
Manager でカスタム書式を適用した後に、ソース MXD または MSD のレイヤを追加、削除したり、順序を変更した場合、カスタム書式は失われます。カスタム書式は、ソース マップのコンテンツ ウィンドウにおけるレイヤのインデックス位置(最上位レイヤはインデックス 0、次のレイヤまたはサブレイヤはインデックス 1、など)に依存します。レイヤが適切なインデックスで見つからない場合、書式は適用されません。カスタム書式を適用した後にレイヤ インデックスを変更する必要がある場合は、Web アプリケーションの Default.aspx ページで、<ResourceItems> セクションのインデックス位置(id)を手動で変更できます。
シンボル
[シンボル] カテゴリは、属性クエリ タスクや属性検索タスクなどの実行を通じて検出されたフィーチャの描画方法を示します。これらのシンボルは、タスク結果の描画時にのみ使用されます。
- 描画方法 - フィーチャを表すためのシンボルを選択することができます。このシンボルはフィーチャの上に表示され、フィーチャを表します。ポイント レイヤの場合は、Manager で利用できるさまざまなポイント シンボルのいずれかを選択することができます。ライン レイヤおよびポリゴン レイヤの場合は、ラインの色やポリゴンの色といった特定のプロパティを設定することができます。
- ハイライトの方法 - マップチップを表示するときなど、フィーチャをハイライト表示するためのシンボルを選択することができます。[描画オプション] で指定したシンボルと同じものを、より明るい色や大きなサイズで表示させることができます。
フィールド
[フィールド] カテゴリは、タスク結果を表示するときなど、レイヤを表形式で表示したときのフィールド属性の表示を制御します。
表示するフィールドをチェックし、フィールド エイリアスにわかりやすい名前を入力することができます。[主フィールド] は、レコードを要約するために使用されます。たとえば、[個別属性] ツールは、結果に主フィールドを使用して、返されたレコードをユーザがすぐに認識できるようにします。一般に、主フィールドの名前は field です。
ArcGIS Server マップ サービスの場合、[フィールド] カテゴリに最初に表示される設定は、マップ サービスのソース マップ ドキュメント(*.mxd)で定義されたフィールド エイリアス、表示設定、主フィールドを反映しています。Manager で指定した設定は、作成している Web アプリケーションでのみ、マップ ドキュメントの設定を上書きします。これらの設定を他の Web アプリケーションで再利用したい場合は、Manager で Web アプリケーションごとにフィールド プロパティを設定するのでなく、ArcMap を使ってソース マップ ドキュメント内のフィールド プロパティを設定することを検討してください。
ArcGIS Server サービスではなく、フィールド設定を提供しないサービスの場合は、すべてのフィールドがデフォルトで表示され、エイリアスはフィールド名と同じです。デフォルトでは、主フィールドは "name" が含まれている最初の文字列フィールドに設定されます。そのようなフィールドがない場合は、最初の文字列フィールドに設定されます。文字列フィールドがない場合は、最初の数値フィールドに設定されます。
レコード
[レコード] カテゴリは、レイヤ内のレコードごとに属性情報の表示方法を定義します。これらの設定は、タスク結果をクリックしたときに表示されるマップチップ ウィンドウの内容や、[個別属性] ツールを使用したときに表示される [個別属性] ウィンドウの内容を定義します。たとえば、次のマップチップは市区町村に関する情報を表示しています。
レコードの形式を指定しない場合は、[フィールド] タブで設定されたフィールドの表示設定とエイリアス設定に基づいて、フィールドの名前と値からなる単純なリストが表示されます。あるいは、カスタム書式を使ってレコードを表示することもできます。
レコードにカスタム書式を適用するには、[カスタムの書式設定] オプションをクリックし、このタブでテキスト エディタを有効にします。ウィンドウのタイトルバーと内容に表示されるレコードのタイトルや概要、またはレコードに関する詳細情報を設定することができます。
- タイトル - マップチップ ウィンドウのタイトル バーに太字で表示されるタイトル。静的テキストを入力してフィールド値を挿入することができます。デフォルト値は主フィールドです。[フィールド] ドロップダウン矢印をクリックするとフィールド リストが表示され、その中から 1 つを選択して、テキスト ボックスの現在のポインタ位置に挿入することができます。
- コンテンツ - 静的テキスト、フィールド属性、ハイパーリンク、イメージで構成することができます。デフォルトでは、エイリアスや対応するフィールド値により、表示可能なフィールドが読み込まれます。
これらの内容は、HTML ビューまたはリッチ テキスト ビューで編集することができます。HTML ビューでは、有効な HTML を入力することができます。リッチ テキスト ビューでは、ツールバーを使ってフォントの名前とサイズを設定し、ハイパーリンクやイメージを挿入することができます。次に、ツールバーで利用できるツールのリストを示します。
- フォント - 利用可能なフォントのリスト
- フォント サイズの変更 - フォントのサイズ: 小、中、大
- 太字 - 選択した文字を太字にします。
- 斜体 - 選択した文字を斜体にします。
- 下線 - 選択した文字に下線を引きます。
- 前景色 - 文字の色を設定します。
- 背景色 - 吹出しエリアの背景色を設定します。
- 元に戻す - 最後の編集内容を元に戻します。
- やり直し - 前のアンドゥを元に戻します。
- 左揃え - カーソルが置かれているテキスト行を左揃えにします。
- 中央揃え - カーソルが置かれているテキスト行を中央揃えにします。
- 右揃え - カーソルが置かれているテキストを右揃えにします。
- 段落番号 - 番号付きのリストを作成します。
- 箇条書き - 箇条書きリストを作成します。
- テーブルの挿入 - 指定された数の行と列で構成されるテーブルを挿入します。
- リンクの挿入 - 選択したテキストをハイパーリンクにします(最初にテキストを選択する必要があります)。URL は、テキストを入力し、フィールド属性値を追加することにより定義されます。
- イメージの挿入 - カーソル位置にイメージを挿入します。イメージのソースは、テキストを入力してフィールド属性値を追加することによって定義される URL です。
- フィールドの挿入 - フィールドからの値を挿入します。特定のフィーチャに対して、実際の属性値がフィールド参照と置き換えられます。中括弧はフィールドを示します({Name} など)。フィールドの表示設定に関係なく、ドロップダウン リストには Shape フィールドと英数字以外のフィールドを除くすべてのフィールドが表示されます。
マップ ディスプレイの設定
[マップ リソース] タブの下の部分には、マップ ディスプレイのプロパティがあります。これらのプロパティを使用して、Web アプリケーション内のマップの座標系と表示範囲を構成することができます。
- 次のマップ リソースの座標系を使用する - 座標系を定義するマップ リソースを設定します。ここで選択したマップ リソースはプライマリ マップ リソースとなり、この座標系に合わせて他のマップ リソースがリアルタイムに投影変換されます。デフォルトでは、プライマリ マップ リソースはアプリケーションで最初にキャッシュされるサービスです。アプリケーションでサービスをキャッシュする場合は、一般に、キャッシュされないサービスをプライマリ マップ リソースとして設定することは避けてください。アプリケーション内のすべてのマップ リソースがキャッシュされない場合、プライマリ マップ サービスはデフォルトで最下位にあるマップ リソースになります。
- 初期表示範囲の設定 - Web アプリケーションの起動時に表示されるマップ範囲を設定します。デフォルトはプライマリ マップ リソースの全範囲です。初期ビューにマップの一部だけを含めたい場合は、カスタム範囲が役立ちます。
カスタム初期範囲を使用すると、プレビュー ウィンドウが表示されるので、範囲を対話形式で設定することができます。マップを画面移動またはズームすると、それに応じて左下と右上の座標が更新されます。範囲を決定したら [OK] をクリックします。
- 全体表示の設定 - ユーザがアプリケーションの [全体表示] ボタンをクリックすると表示される範囲を設定します。デフォルトはプライマリ マップ リソースの全体表示です。
プライマリ マップ リソースの全範囲に対象エリア外のデータが含まれる場合は、カスタムの全体表示が便利です。これは、Bing Maps などの世界的なサービスをアプリケーションに追加する場合にも、よく使用されます。ユーザが [全体表示] をクリックすると、世界全体ではなく、限られた対象エリアだけを拡大することができます。
カスタム全体表示を使用すると、プレビュー ウィンドウが表示されるので、範囲を対話形式で設定することができます。マップを画面移動またはズームすると、それに応じて左下と右上の座標が更新されます。範囲を決定したら [OK] をクリックします。
- マップのプレビュー - Web アプリケーションに表示されるマップのプレビューを表示します。プレビューを使用して、透過表示設定が期待どおりに表示されることを確認します。
回転されたデータ フレーム
Manager または Web ADF(Application Developer Framework)で構築された .NET Web アプリケーションで、回転されたデータ フレームを持つマップ サービスを利用することができます。プライマリ マップ リソースによって、マップの回転が決定されます。
回転されたデータ フレームを持つマップ サービス使用すると、プライマリ マップ リソースが回転された場合に、ArcIMS や WMS などの回転できないサービス タイプを同じマップで使用することができません。回転できないサービスをプライマリ マップ リソースとして設定すると、Web ADF は回転されたサービスをリアルタイムに元に戻して、回転できないサービスと整列させます。
回転されたデータ フレームがあるマップは、キャッシュできません。また、回転されたデータ フレームを持つマップ サービスを含む Map コントロールに、EnableTileCaching = True を設定するべきではありません。