演習 3: クイックスタート ガイド - ジオメトリック ネットワークを表現する GIS フィーチャから動作するようにスタンダード ビルダを構成する

複雑さ: 初心者 データ要件: ArcGIS チュートリアル データのセットアップ データ パス: C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\Schematics_Configuration\GeometricNetwork_Data 目的: スタンダード ビルダに基づくスケマティック ダイアグラム テンプレートを構成して、サンプル ジオメトリック ネットワークからダイアグラムを生成する

スタンダード ビルダは、ジオメトリック ネットワークを表現する GIS フィーチャからすばやく簡単にスケマティック ダイアグラムを生成するように構成されたビルダです。この演習では、スケマティック ダイアグラム テンプレートを作成し、サンプルの ElectricNetwork_Net ジオメトリック ネットワークからダイアグラムを生成するように構成する方法を学びます。このジオメトリック ネットワークは、Schematics のチュートリアル データに含まれている ElecDemo チュートリアル ジオデータベースに保存されています。演習 1 で作成した SchematicBuilderSamples スケマティック データセットを使用して、構成を行います。

手順:

1. C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\TutorialSchematicDB ジオデータベースに保存されている SchematicBuilderSamples スケマティック データセットを編集します。そのためには、ArcCatalog を使用してこのデータベースを参照し、データセットを右クリックして、[編集] メニュー オプション を選択します。
   注意:

   スケマティック データセット エディタを使用してスケマティック データセットを編集する手順については、「演習 2: スケマティック データセットを編集する」をご参照ください。

スタンダード ビルダに基づくスケマティック ダイアグラム テンプレートを作成する

第 1 段階では、ジオメトリック ネットワーク データからダイアグラムを生成するときに使用するスケマティック ダイアグラム テンプレートを作成します。

手順:

1. データセット エディタのツリーで [SchematicBuilderSamples] エントリを右クリックし、[新規スケマティック ダイアグラム テンプレート] をクリックします。

   エディタ ウィンドウの右側に、新しいスケマティック ダイアグラム テンプレートの [プロパティ] タブが自動的に表示されます。

   このタブには、さまざまなパラメータとそのデフォルト値が表示されます。デフォルトのスケマティック ビルダは、スタンダード ビルダです。ジオメトリック ネットワーク データを処理するこのダイアグラム テンプレートでは、このビルダを指定します。

2. [名前] ボックスに、「DiagramsFromGeometricNetwork」と入力します。
3. 他のパラメータはデフォルトで必要な値に設定されているので、[OK] をクリックします。

   データセット エディタのツリーに、DiagramsFromGeometricNetwork ダイアグラム テンプレートのエントリが自動的に表示されます。エディタ ウィンドウの右側に、[関連付け]、[レイアウト]、および [ルール] という 3 つのタブが新たに表示されます。

この手順が完了すると、スケマティック データセット エディタは次のようになります。

フィーチャ レイヤからのインポートによってスケマティック フィーチャクラスを作成する

スケマティック ダイアグラム テンプレートは、想定される一連のスケマティック フィーチャを含む特定のタイプのスケマティック ダイアグラムを生成することを目的として作成されます。次の段階では、DiagramsFromGeometricNetwork ダイアグラム テンプレートに基づくダイアグラムに含まれると想定されるスケマティック フィーチャクラスを指定します。全体または一部が GIS フィーチャに基づくダイアグラムを生成するときに使用するスケマティック ダイアグラム テンプレートには、[フィーチャ レイヤからインポート] という簡単な機能があります。この機能を使用すると、スケマティック フィーチャクラスをすばやく作成することができます。[フィーチャ レイヤからインポート] 機能は、GIS フィーチャが追加されたマップ ドキュメントに保存されているフィーチャ レイヤから実行されます。この機能では、スケマティック フィーチャクラスが作成されるだけでなく、デフォルトのスケマティック レイヤ プロパティも同時に設定されます。そのため、生成されたダイアグラムに含まれるスケマティック フィーチャは、関連する GIS フィーチャがマップ ドキュメントに表示されるのと同様に表示されます。

手順:

1. データセット エディタのツリーで [DiagramsFromGeometricNetwork] ダイアグラム テンプレート エントリを右クリックし、[フィーチャ レイヤからインポート] をクリックします。

   [フィーチャ レイヤからインポート] ダイアログ ボックスが開きます。

2. [マップまたはレイヤ ファイル] 領域の右側にある省略記号ボタンをクリックします。

   [インポートするマップまたはレイヤ ファイルを選択] ダイアログ ボックスが開きます。

3. C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\Schematics_Configuration\GeometricNetwork_Data フォルダに保存されている [MapToImport MXD] ドキュメントを参照し、選択します。

   このマップ ドキュメントには、ElectricNetwork フィーチャ データセットのフィーチャクラスに関連するフィーチャ レイヤが含まれています。それらの GIS フィーチャクラスは、C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\Schematics_In_ArcMap\ElecDemo ジオデータベースに保存されています。

4. [追加] をクリックします。

   [インポートするマップまたはレイヤ ファイルを選択] ダイアログ ボックスが閉じます。

   次のスクリーン ショットのように、[フィーチャ レイヤからインポート] ダイアログ ボックスに自動的に情報が入力されます。

   指定したマップ ドキュメントのコンテンツ ウィンドウ内のすべてのフィーチャ レイヤが [インポートするフィーチャ レイヤを選択] リストに表示されます。ElectricNetwork_Net ジオメトリック ネットワークに含まれるアイテムに関連するアイテムのチェックボックスは、デフォルトでオンになります。

   注意:

   このリストでは一般に、すべてのレイヤのチェックボックスを常にオンのままにしておく必要があります。一部のレイヤがスケマティック ダイアグラムに表示されないようにする場合は、通常、ネットワークの接続が正しく保持されるように、ノード削減ルールを構成することをお勧めします。ルールの詳細については、Schematics の詳細構成チュートリアルの演習 2 をご参照ください。

5. [OK] をクリックします。

   インポート プロセスが完了すると、[インポートするフィーチャ レイヤを選択] リストでオンにした各スケマティック フィーチャ レイヤについて、スケマティック フィーチャクラスがデータセット エディタに新たに表示されます。

   [ProtectionDeviceBank]、[TransformerBank]、[Primaryline]、および [SecondaryLine] の各スケマティック フィーチャクラス アイテムを展開すると、インポートされたこれらのスケマティック フィーチャクラスについて、このプロセスでスケマティック属性が自動的に作成されていることがわかります。

   これらの属性は、インポートしたマップ ドキュメントで関連する GIS フィーチャのラベル表示または分類に使用されているものと同じフィールドに関連しています。

   スケマティック データセット エディタのツリーで [データ ソース] エントリを展開すると、このプロセスで ElecDemo という新しいスケマティック データ ソースが自動的に追加されていることがわかります。このデータ ソースは、インポートしたマップ ドキュメントに含まれている GIS データへの接続に使用されるデータ ソースです。

6. [保存] をクリックします。

   これで、このマップ ドキュメント、または同じ GIS データを含む他のマップで指定されている選択セットまたはトレース結果からダイアグラムを生成するためのスケマティック データセットの構成が完了しました。

7. スケマティック データセット エディタを閉じます。

関連する GIS フィーチャからスケマティック ダイアグラムを生成する

ここでは、新しく作成した DiagramsFromGeometricNetwork ダイアグラム テンプレートに基づく最初のスケマティック ダイアグラムを生成します。

手順:

1. ArcMap を起動します。
2. C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\Schematics_Configuration\GeometricNetwork_Data フォルダに保存されている MapToImport MXD ドキュメントを読み込みます。
3. メイン メニューの [ブックマーク] ドロップダウン メニューをクリックし、[First GIS Features Set] をクリックします。
4. [四角形による選択] ツール をクリックし、次のスクリーン ショットのように一連の GIS フィーチャを選択します。
5. [スケマティック] ツールバーの [スケマティック ダイアグラムの新規作成] ボタン をクリックします。

   [スケマティック ダイアグラムの新規作成] ダイアログ ボックスが開きます。

   マップに表示されている GIS データは ElecDemo ジオデータベースに保存されており、このジオデータベースにはすでにスケマティック データセットがあるので、現在選択されている GeoSchematic ダイアグラム テンプレートはこのスケマティック データセットに基づいています。ここでは、新しい SchematicBuilderSamples スケマティック データセットで構成した新しい DiagramsFromGeometricNetwork ダイアグラム テンプレートからダイアグラムを生成するので、まず、このスケマティック データセットを指定する必要があります。

   1. [スケマティック データセットまたはフォルダ] フィールドの右側にある参照ボタン をクリックします。

      [スケマティック データセット、またはスケマティック フォルダを選択] ダイアログ ボックスが開きます。

   2. 演習 1 で C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics に作成した [TutorialSchematicDB] ジオデータベースを参照し、選択します。
   3. このジオデータベースをダブルクリックし、[SchematicBuilderSamples] スケマティック データセットを選択します。

      

   4. [追加] をクリックします。

      次のスクリーン ショットのように、[スケマティック ダイアグラムの新規作成] ダイアログ ボックスに自動的に情報が入力されます。

      [スケマティック ダイアグラムのテンプレート] ドロップダウン リストでは、このスケマティック データセットに含まれている唯一のスケマティック ダイアグラム テンプレート（DiagramsFromGeometricNetwork）が選択されます。

6. [スケマティック ダイアグラム名] フィールドに「FirstDiagram_FromSelection」と入力します。

   この手順が完了すると、[スケマティック ダイアグラムの新規作成] ダイアログ ボックスの内容は、次のスクリーン ショットのようになります。

7. [OK] をクリックします。

   生成プロセスが開始されて、新しく生成されたダイアグラムが新しいデータ フレームに表示され、自動的にマップ ドキュメントに追加されます。

結合を使用してスケマティック フィーチャを描画し、ラベルを表示する

生成したスケマティック ダイアグラムに含まれているスケマティック フィーチャは、デフォルトのスケマティック レイヤ プロパティで表示されます。これらのデフォルト レイヤ プロパティは、この演習の最初のセクションで、[フィーチャ レイヤからインポート] コマンドを使用してスケマティック ダイアグラム テンプレートを構成したときに自動的に設定されたものです。インポート プロセスで作成されたスケマティック属性に基づいているので、スケマティック ダイアグラム レイヤを構成するフィーチャ レイヤのレイヤ プロパティは、インポートしたジオメトリック フィーチャ レイヤに指定されているものとまったく同じです。

ただし、スケマティック フィーチャは標準フィーチャなので、スケマティック レイヤ内の各フィーチャ レイヤのほとんどの部分は、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスで他のレイヤと同様に制御することができます。特に、この演習のようにジオメトリック ネットワークのデータを処理する場合、スケマティック フィーチャでは関連する実際の GIS フィーチャのオブジェクトが追跡されるので、スケマティック フィーチャ レイヤに結合を構成することで、関連する GIS 属性を取得できます。その後、これらの GIS 属性を使用すると、スケマティック フィーチャクラスでスケマティック属性を特別に構成しなくても、スケマティック フィーチャを描画し、ラベルを表示することができます。ここでは、一部のフィーチャ レイヤに結合を追加し、結合された属性を使用することによって、生成されたスケマティック ダイアグラムのレイヤ プロパティを変更して、スケマティック フィーチャを描画し、ラベルを表示します。

関連する GIS フィーチャから取得した属性値に従って、スケマティック フィーチャを描画する

次の手順では、ServiceLocation スケマティック フィーチャ レイヤに結合を構成して、関連する GIS フィーチャから属性を取得し、これらの GIS 属性値を使用して ServiceLocation スケマティック フィーチャを描画する方法を説明します。

手順:

1. ArcMap のコンテンツ ウィンドウで、FirstDiagram_FromSelection スケマティック レイヤの下にある [ServiceLocation] フィーチャ レイヤを右クリックします。
2. [プロパティ...] メニュー オプションを選択します。

   [レイヤ プロパティ] ダイアログが開きます。

3. [属性の結合とリレート] タブを選択します。
4. 左側の [結合] セクションで [追加] をクリックします。

   [結合] ダイアログ ボックスが開きます。

   1. [結合に利用する値を持つフィールド] ドロップダウン リストから [UOID] を選択します。

      UOID は、Schematics で実際のフィーチャのオブジェクト ID が保存されるフィールドです。

   2. [結合対象レイヤまたはテーブル] ドロップダウン リストの横にある参照ボタンをクリックします。

      [追加] ダイアログ ボックスが開きます。

   3. C:\ArcGIS\ArcTutor\Schematics\Schematics_In_ArcMap\ElecDemo ジオデータベースに保存されている ElectricNetwork フィーチャ データセットに移動し、[ServiceLocation] フィーチャクラスを選択します。

      ServiceLocation GIS フィーチャクラスは、ServiceLocation スケマティック フィーチャクラスと関連付けられています。

   4. [追加] ボタンをクリックします。
   5. [結合のマッチングに利用するフィールド] ドロップダウン リストから [OBJECTID] を選択します。

      これで、スケマティック フィーチャクラスから実際の GIS フィーチャクラスへの結合が作成されました。

   6. [OK] をクリックします。

      [結合] ダイアログ ボックスが閉じます。

5. 次に、結合された GIS 属性の 1 つを使用して、ダイアグラムに ServiceLocation スケマティック フィーチャを描画します。
   1. [シンボル] タブをクリックします。
   2. [表示] セクションで、[カテゴリ] の下にある [個別値] をクリックします。
   3. [値フィールド] ドロップダウン リストから [ONWHAT] を選択します。

      このフィールドは、ServiceLocation GIS フィーチャクラスとの結合によって取得されたものです。[値フィールド] リストには、このフィーチャクラスのすべての GIS 属性が表示されます。

   4. [すべての値を追加] ボタンをクリックします。

   5. [建物] の後に表示されるすべての値を選択し、[削除] ボタンをクリックします。

      「建物」という値のみが残ります。

   6. 「建物」という値を持つ ServiceLocation スケマティック フィーチャとその他の値を持つ ServiceLocation スケマティック フィーチャを表すシンボルを設定します。

   7. [適用] をクリックし、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

   結合によって、関連する GIS フィーチャから取得した ONWHAT 属性の値に基づいて、ServiceLocation スケマティック フィーチャが特定のシンボルで表示されます。

関連する GIS フィーチャから取得した属性値に従って、スケマティック フィーチャにラベルを表示する

ここでは、結合された別の GIS 属性を使用して、ServiceLocation スケマティック フィーチャにラベルを表示します。

手順:

1. ArcMap のコンテンツ ウィンドウで、FirstDiagram_FromSelection スケマティック レイヤの下にある [ServiceLocation] フィーチャ レイヤを右クリックします。
2. [プロパティ...] メニュー オプションを選択します。

   [レイヤ プロパティ] ダイアログが開きます。

3. [ラベル] タブをクリックします。
4. [このレイヤのラベルを表示] チェックボックスをオンにします。
5. [ラベル フィールド] ドロップダウン リストから [PhaseCode] を選択します。

   このフィールドは、ServiceLocation GIS フィーチャクラスとの結合によって取得されたものです。[ラベル フィールド] リストには、このフィーチャクラスのすべての GIS 属性が表示されます。

   [ラベル] タブの内容は、次のスクリーン ショットのようになります。

6. [OK] をクリックします。
7. [適用] をクリックし、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

   結合によって、関連する GIS フィーチャから取得した PhaseCode 属性の値に基づいて、ServiceLocation スケマティック フィーチャにラベルが表示されます。

関連するスケマティック フィーチャから取得した属性値を使用して、ServiceLocation スケマティック フィーチャを描画し、ラベルを表示しました。現時点では、このカスタマイズは FirstDiagram_FromSelection サンプル ダイアグラムのみに影響します。ただし、必要に応じて、現在構成されているレイヤ プロパティを、関連するダイアグラム テンプレートのデフォルトのスケマティック レイヤ プロパティとして指定して、そのテンプレートに基づくすべてのダイアグラムが同じように表示されるようにすることができます。このような構成の詳細については、詳細構成チュートリアルの最初の演習の「ダイアグラム テンプレートのデフォルトとして使用するレイヤ ファイルを作成する」をご参照ください。