タイム ウィンドウ
タイム ウィンドウとは
タイム ウィンドウとは、ルートがルート解析のストップなどのネットワーク ロケーションを訪れる開始時間から終了時間までの時間帯です。
ルートおよび配車ルートの 2 つのネットワーク解析レイヤがタイム ウィンドウを組み込みます。以下の 2 つの表は、タイム ウィンドウを設定できるネットワーク解析クラスの一覧です。
ネットワーク解析クラス |
タイム ウィンドウ フィールド |
---|---|
ストップ |
TimeWindowStart |
TimeWindowEnd |
タイム ウィンドウの開始プロパティと終了プロパティは、解析レイヤ プロパティの [タイム ウィンドウを使用] がオンになっている場合は、ストップの [プロパティ] ウィンドウにのみ表示されます。
ネットワーク解析クラス |
タイム ウィンドウ フィールド |
---|---|
訪問先 |
TimeWindowStart1 |
TimeWindowEnd1 |
|
TimeWindowStart2 |
|
TimeWindowEnd2 |
|
拠点 |
TimeWindowStart1 |
TimeWindowEnd1 |
|
TimeWindowStart2 |
|
TimeWindowEnd2 |
|
休憩 |
TimeWindowStart |
TimeWindowEnd |
タイム ウィンドウは常に使用可能であるため、タイム ウィンドウを使用できるようにするために配車ルート解析レイヤのプロパティを有効にする必要はありません。訪問先と拠点に対して 2 つの異なるタイム ウィンドウを設定することができます。それぞれのタイム ウィンドウは、タイム ウィンドウ フィールドの名前の末尾にある数字でグループ化されます。
配車ルートのルート オブジェクトにも、EarliestStartTime と LatestStartTime の 2 つのタイム ウィンドウ フィールドがあります。これらのフィールドは、ルートが移動できる時間帯を指定するのに使用します。
タイム ウィンドウの例
タイム ウィンドウについて理解するために、ルートが訪れる必要のある 4 つのストップ a、b、c、d を例にとります。各ストップのタイム ウィンドウは、TimeWindowStart および TimeWindowEnd プロパティによって設定されています。
ポイント a では午前 8:00 から 9:00 の間の任意の時刻にルートを開始できます。しかし、ストップ b には午前 9:10 以前に到着することはできません。次の図に示されるように、ルートは b に午前 9:05:08 に到着します。
ポイント b を訪れることができるのは、午前 9:10 から 9:12 の間に限定されるため、ルートはポイント b で 4 分 40 秒待機し、午前 9:10 に出発します。この待ち時間は、ストップ b の Wait_Drivetime プロパティに 4.66 分として格納され、ルートの全体的な所有時間に追加されます。ストップの Cumul_Drivetime プロパティには、そのストップに到着するまでの合計時間が格納されます。ポイント b の Cumul_Drivetime は 10 分です(5 分 20 秒の移動時間と、ストップ b のタイム ウィンドウを遵守するための 4 分 40 秒の待ち時間の合計)。
ルートはストップ b を午前 9:10 に出発し、午前 9:15:20 にストップ c に到着します。ただし、ストップ c のタイム ウィンドウは午前 9:10 から 9:12 です。ルートはストップ c のタイム ウィンドウを遵守することができないため、3 分 20 秒の時間超過が生じ、Violation_Drivetime プロパティに 3.33 秒として格納されます。
ストップ c には、時間超過を示すシンボル が表示されます。
タイム ウィンドウは、「ソフトな」制約として適用されます。つまり、タイム ウィンドウを遵守するルーティングが試みられますが、必要に応じて一部のストップのタイム ウィンドウを超過する場合もあります。これは、「ハードな」制約とは異なります。この場合は、タイム ウィンドウを超過するストップへのルートは生成されません。ArcGIS Network Analyst では、ハードなタイム ウィンドウはサポートされません。
ルートの解析では、ネットワークで選択されている規制を満たし、すべてのタイム ウィンドウを満たす、一連のストップを通過する最低コストのルートの検出が試みられます。タイム ウィンドウの超過が避けられない場合は、合計超過時間が最も少なくなるルートの検出が試みられます。
履歴交通量データ付きのタイム ウィンドウ
履歴交通量データとともに使用されるタイム ゾーン ネットワーク属性がネットワーク データセットにある場合、時刻フィールドまたは日付フィールドのあるネットワーク ロケーションは、それらが配置されているエッジのタイム ゾーンを参照します。