Esri Maplex ラベル エンジンの一般設定について
Maplex には、標準のグローバル ラベル設定の他にも、すべてのレイヤのラベル配置方法を制御する 3 つのパラメータが用意されています。これらの設定は、マップのデータ フレームごとに保存されます。
ライン接続
ライン接続によって、同じ名前を持つ個々のライン フィーチャのグループが結合して、ラベル エンジン用の 1 つのライン フィーチャになります。パイプラインやユーティリティ ネットワークなどのライン フィーチャは多数の小さいセグメントとしてデジタイズされていることが多く、実際の 1 つのフィーチャを表現するにはこれらのセグメントを接続する必要があるため、通常、これは望ましいことです。これらのセグメントが接続されていない場合、各セグメントの長さに合わせて同じラベルが繰り返されて、フィーチャのラベルが過剰な状態で表示される可能性があります。ライン接続は、スタイルが [一般配置]、[ストリート住所配置]、[河川配置] のラベルを配置する場合に適用されます。
次のような場合には、ライン接続をオフにすることができます。
- 各ライン フィーチャを個別にラベリングする必要がある場合。
- ラベルに関する問題を特定するために、すべてのセグメントのラベルを表示する場合。
- ライン接続によってラベルの配置が改善されることを確認するため、ラベリングされたそれぞれのフィーチャを表示する必要がある場合。
ライン接続がオンの場合、ラベル エンジンは複数のライン セグメントを常に接続するので、出力ラベルの数と入力ラベル フィーチャの数は一致しません。
ライン接続タイプは、ラインを接続するときのジャンクションの処理方法を制御します。次の 2 つのオプションがあります。
- [ラベルを最小化] - このオプションではフィーチャのラベリングに重点を置き、必要なラベルは最少数にします。ジャンクションのどちらの側にも同じフィーチャのラベルを配置するのではなく、ジャンクションの片側にのみラベルを配置したり、ジャンクション全体にラベルがかかるようにしたりできます。この設定を使用した場合は、以下の最初の図のようになります。
- [一義的] - ネットワーク内のジャンクション間でラベリングされるため、フィーチャの区別は明瞭になります。ただし、ジャンクションの両側に同じフィーチャがラベリングされることがあるため、このオプションを選択すると [ラベルを最小化] オプションの場合よりもマップ上に配置されるラベル数が多くなりがちです。これがデフォルトです。この設定を使用した場合は、以下の 2 番目の図のようになります。
マップの枠線に重なるラベルの許可
デフォルトでは、ラベルはマップのデータ フレームの枠線内に配置されます。ラベルの一部が枠線に重なることができるようにして、ラベルの配置が可能な領域を増やすことができます。ただし、枠線の外部に出た部分については、マップに表示されません。この機能は、マップ シリーズを作成してマップ タイルをマージするときに役立ちます。このとき、望ましいのは(次のタイルにかかっても)ラベルをマップ上に配置しておくことです。これにより、マップの枠線を編集するときにラベルが表示されます。
以下の図では、左側のラベルがマップの枠線に重なっています。このラベルは、本来は山梨県というように表示されるはずのものです。
複合ポリゴン
1 つのマルチパート ポリゴン フィーチャによって、地理フィーチャのグループが表現されることがあります。たとえば、アメリカ合衆国のフィーチャクラスでは、ハワイ州が 7 つのパートで構成される 1 つのポリゴンとして表現されることがあります。このようなフィーチャをラベリングするとき、フィーチャの各パートを同じラベルでラベリングすることも、最も大きいパートにのみ 1 つのラベルを配置することもできます。
以下の図は、2 つの異なる方法でラベリングされているハワイ島を示しています。上の図では、マルチパート ポリゴン内のそれぞれの島に名前がラベリングされています。下の図では、[マルチパート ポリゴン フィーチャの最大ポリゴンのみにラベリング] オプションがオンになっているので、最大ポリゴンのみがラベリングされています。