地理座標系とは

地理座標系(GCS)は、3 次元の球面を使用して、地球上の位置を定義します。GCS は測地基準系と呼ばれることがありますが、測地基準系は GCS の一部にすぎません。GCS には、角度の計測単位、本初子午線、および(回転楕円体に基づく)測地基準系が含まれます。

ポイントは、その緯度と経度の値によって参照されます。緯度と経度は、地球の中心から地球の表面上のポイントに向かって計測された角度です。多くの場合、これらの角度は度(またはグラジアン)で計測されます。以下の図では、世界が経度値と緯度値からなる球体として示されています。

経度値と緯度値からなる球体

楕円体システムでは、水平線(東西方向の線)は同じ緯度上にある線(緯線)です。垂直線(南北方向の線)は、同じ経度上にある線(経線)です。これらの線は、地球を取り囲み、経緯線と呼ばれる格子状の網を形成します。

両極間の中間にある緯線を赤道と呼びます。この線が緯度 0 と定義されます。経度が 0 の線は、本初子午線と呼ばれます。ほとんどの地理座標系では、本初子午線はイギリスのグリニッジを通る経度です。また、ベルン、ボゴタ、およびパリを通る経線を本初子午線として使用している国もあります。経緯線の原点(0, 0)は、赤道と本初子午線が交差する位置によって定義されます。これにより、球体は原点からの磁針方位に基づく 4 つの地理的な象限に分けられます。北と南はそれぞれ赤道の上と下を指し、西と東はそれぞれ本初子午線の左と右を指します。

緯経線網を形成する緯線と子午線の説明図
次の図は、緯経線網を形成する緯線と子午線を示しています。

従来、緯度と経度の値は、10 進度または度分秒(DMS)のどちらかで計測されます。緯度値は赤道を基準として計測され、その範囲は南極点の -90°から北極点の +90°までになります。経度値は本初子午線を基準として計測されます。その範囲は西方向の -180°から東方向の +180°までになります。本初子午線がグリニッジを通る場合、オーストラリア(赤道よりも南、グリニッジよりも東)の経度は正の値、緯度は負の値となります。

経度値を X 、緯度値を Y と考えるとわかりやすくなります。地理座標系で定義されているデータは、度が 2 次元の単位であるかのように表示されます。この方法は、基本的には正方形(Plate Carrée)図法と同じです。

正方形図法についての詳細

経度と緯度は、球面上のまったく同じ位置にある場合でも、同じ単位ではありません。赤道に沿った地域に限り、経度 1°で表される距離が緯度 1°で表される距離に近似します。これは、赤道だけが経線と同じ長さの緯線だからです。地球と同じ半径を有する円を大円と呼びます。赤道とすべての経線が大円に相当します。

赤道の上下では、緯線を定義する円は、経線が収束する北極と南極の 1 点になるまで徐々に小さくなっていきます。経線が極に向かって収束するにつれ、経度 1°で表される距離が 0 まで減少していきます。Clarke 1866 回転楕円体の場合、赤道での経度 1°は 111.321 km に相当するのに対し、緯度 60°ではわずか 55.802 km にすぎません。緯度と経度には基準となる長さがないため、距離や面積を正確に計測したり、平らな地図やコンピュータの画面上に簡単にデータを表示することはできません。

サポートされる地理座標系、測地基準系などの表は、ArcGIS Documentation フォルダ内の geographic_coordinate_systems.pdf ファイルに記載されています。

関連項目


7/10/2012