グラフ関数の基礎
グラフに関数を追加することで、グラフの視覚的および分析的効果を高めることができます。関数は、特定の数学演算または統計演算をデータ シリーズの値に適用し、結果をグラフ上に線で表示します。
関数のカテゴリ
ArcGIS Desktop アプリケーションのグラフ作成ツールでは、16 種類の関数を使用できます。これらの関数は、2 つの大きなカテゴリとして、記述関数またはトレンド関数に分類されます。
記述関数
記述関数は、シリーズ内のすべての値から単一の値を計算します。このタイプの関数は、グラフを横切る直線によって、計算された値を表します。
関数タイプ |
説明 |
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平均(Average) |
値の単純平均 Average = sum / n |
総数(Count) |
シリーズ内の値の総数(n) |
最大(High) |
シリーズ内の最大値 |
最小(Low) |
シリーズ内の最小値 |
中央値(Median) |
シリーズ内の中央値 |
最頻値(Mode) |
シリーズ内の最頻値 |
RMS |
シリーズの二乗平均平方根(RMS)。RMS の一般的な公式は以下のとおり。 RMS = Sqrt(Sum(Sqr(x[i]))/n |
標準偏差(Standard Deviation) |
シリーズ内の標準偏差。一般的に使用される公式は次のとおり。 StDev = Sqrt(((n*Sum(y*y)) - Sqr(Sum(y)))/Sqrt(n)) |
分散(Variance) |
各数の平均からの平均二乗偏差として計算されるシリーズ内の値の分散 |
(ここで n は値の数を表します)
トレンド関数
トレンド関数は値が変化する方向を示します。トレンド関数はローカル関数またはグローバル関数であり、グラフに追加した場合、データ値の全範囲にわたるグローバルな概要を示します。
関数タイプ |
説明 |
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トレンド(Trend) |
特定のスロープの直線として表示される直線関係 |
指数関数傾向(Exponential Trend) |
指数関係を表す曲線 |
他のトレンド関数は、局所的に値を集計して傾向を割り出します。そのように処理された値は、処理前の値より滑らなカーブを描きます。
局所的集計のタイプ |
説明 |
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移動平均(Moving Average) |
シリーズ内の各値に対して、隣接した値のサブセットの平均(単純または重量)を計算します。これは長期的な傾向と循環傾向を区別するのに役立ちます。 |
指数関数移動平均(Exponential Moving Average) |
移動平均と同様ですが、サブセット内で計算対象の値に近い値ほど大きなウェイトが得られます。 |
曲線適合(Curve fit) |
Gaussian Polynomial 関数を適用することにより、シリーズ内の値から滑らかな曲線を生成します。多項式の順序(係数の数)を制御するために、Polynomial Degree が使用されます。 |
スムージング(Smoothing) |
スプライン関数を値に適用することにより、シリーズ内の値から滑らかな曲線を生成します。係数が大きくなるほど、曲線が滑らかになります(Martijn van Engeland の B スプライン コンポーネントに基づきます)。 |
もう 1 つのトレンド タイプは、累積表示です。これは値の累加数量を示します。
累積表示(Cumulative) |
各値を前の値に追加して、増加の度合いを示します。 |
パラメータ
関数タイプの大半は、データ シリーズから直接作成されます。しかし、曲線適合、移動平均、RMS、スムージング、標準偏差など、一部の関数では、追加パラメータを設定する必要があります。