例:SQL を使用して Oracle でデータベース ビューを作成し、ArcSDE に登録する

複雑さ: 初心者 データ要件: 独自のデータの使用

SQL を使用して、ArcSDE ジオデータベースにビューを作成できます。ArcGIS でビューを検索するには、ビューを ArcSDE に登録する必要があります。

ビューを ArcSDE に登録するには、ビューの基になるテーブルに RowID 列が含まれている必要があります。ArcSDE によって使用される RowID 列は、テーブルまたはビューの行を一意に識別できるよう、NULL 以外の一意の整数列になっています。RowID 列を登録せずにビューを作成することもできますが、このようなビューは ArcGIS において機能が制限されます。これは、ArcGIS での選択およびクエリに登録済みの RowID 列が必要であるためです。

このトピックの例では、SQL を使って Oracle 内に作成されたビューを、ArcSDE に登録する方法について説明します。この例は、以下の定義を持つテーブルに基づいています。

CREATE TABLE employees (
  emp_id      number(38) unique not null,
  name        varchar2(32),
  department  number not null,
  hire_date   date not null);

テーブルには、ArcSDE の RowID として使用できる NULL でない整数列(emp_id)が含まれています。ビューを ArcSDE に登録できるようにするには、この列がビューの定義に含まれている必要があります。

テーブルに関する権限の付与

ビューを作成しているユーザがビューの基になるテーブルの所有者でない場合、テーブルの所有者はビューの作成者に少なくともテーブルの SELECT 権限を付与する必要があります。ビューの所有者がビューの権限を他のユーザに付与する必要がある場合、テーブルの所有者はビューの所有者に、権限を他のユーザに付与する権限を付与する必要があります。

この例では、ビューの基になるテーブル(employees)はユーザ gdb が所有しています。ビューを作成しているユーザは、ユーザ rocket です。また、rocket ユーザはビューの権限を他のユーザに付与する必要があります。したがって、gdb ユーザは rocket ユーザに employees テーブルの SELECT 権限を付与し、rocket がビューの SELECT 権限を他のユーザに付与できるように WITH GRANT OPTION を指定する必要があります。

conn gdb/gdb.bdg

GRANT SELECT 
ON employees 
TO rocket WITH GRANT OPTION;

ビューの作成

この例では、ユーザ rocket が employees テーブルを基にビューを作成し、部署番号が 201 のレコードのみにアクセスを制限しています。

CREATE VIEW view_dept_201 
AS SELECT (emp_id,name,department,hire_date)
FROM GDB.EMPLOYEES 
WHERE department = 201;

ビューに関する権限の付与

ビューの権限を特定のユーザに付与することができます。また、これらのユーザにベース テーブル(employees)へのアクセスを許可する必要はありません。この例では、ユーザ mgr200 は ビュー view_dept_201 の SELECT 権限を付与されています。

conn rocket/nopeeking

GRANT SELECT ON view_dept_201 TO mgr200;

権限のテスト

mgr200 としてログインし、view_dept_201 のレコードを選択します。

conn mgr200/topsecret

SELECT * FROM rocket.view_dept_201; 

EMP_ID     NAME       DEPT     HIRE_DATE 
112        LOLLI POP  201      06/30/2007 
134        VAN CHIN   201      10/15/2007 
150        DON GUN    201      03/01/2009

期待どおり、部署 201 の従業員のレコードだけが返されます。

ArcSDE へのビューの登録

ArcGIS クライアント アプリケーションからビューのレコードを検索または選択するには、ビューを ArcSDE に登録する必要があります。ビューを ArcSDE に登録すると、ArcSDE の TABLE_REGISTRY システム テーブルにレコードが追加されます。

ビューを登録するには、sdetable コマンドに register 操作を指定して使用します。ビューを ArcSDE に登録できるのは、ビューの所有者だけです。したがって、view_dept_201 を登録するときに、rocket ユーザの名前とパスワードを sdetable コマンドに指定する必要があります。

sdetable -o register -t rocket.view_dept_201 -c emp_id -C SDE
-i sde:oracle11g:ora1 -s myodbserver -u rocket -p nopeeking

この例では、RowID(emp_id)は ArcSDE による管理として登録されます。ビューが読み取り専用の場合は、RowID をユーザ管理として登録できます。

sdetable コマンドの詳細については、『コマンド リファレンス』をご参照ください。


7/10/2012