Oracle でのジオデータベースの設定の概要

Oracle DBMS(データベース管理システム)でジオデータベースを作成する前に、まず Oracle ソフトウェアのインストール、次に DBMS の設定を行います。

DBMS の設定では、データベース インスタンス内にテーブル、インデックス、ファイルの格納領域を設定し、適切にメモリを割り当てます。作成するテーブル、インデックス、格納領域の名前、タイプ、場所を検討し、作成するバックアップ ログ ファイルの大きさ、一時領域のサイズも検討する必要があります。データベース管理者は、サイトで使用される命名規則や、サイトで必要とされるコンフィグレーションのタイプを知っておく必要があります。

データを格納するときの言語も決定する必要があります。DBMS のデフォルト言語以外の言語を使用してデータベースを設定する場合、DBMS をその言語用に設定する必要があります。

データベースの準備ができたら、ArcSDE をインストールします。これによって、Oracle データベース内にジオデータベースを作成し設定するために必要なファイルを得ることができます。

ArcSDE のインストール要件を確認するには、「」、「」、「ArcSDE for Oracle のシステム要件」、「」、「」をご参照ください。

以下では、さまざまなオペレーティング システム上の Oracle でジオデータベースを設定する手順について概要を示します。以下の概要では、ArcSDE だけに適用される手順の詳細情報へのリンクを掲載しています。ユーザの作成などの一般的な Oracle タスクについては、Oracle ドキュメントをご参照ください。

Linux/UNIX 上の Oracle でのジオデータベースの設定の概要

  1. Oracle ソフトウェアをインストールします。
  2. 表領域およびログ ファイルの設定など、データベースの構成を行います。手順については、Oracle のドキュメントをご参照ください。
  3. sde というユーザ名のオペレーティング システム(OS)アカウントを作成します。
  4. sde ユーザの環境変数を設定します。詳細については、「Linux または UNIX での sde OS ユーザの環境変数の設定」をご参照ください。
  5. Oracle リスナーを構成します。
  6. sde という名前のユーザを Oracle データベースに作成し、そのユーザのデフォルト表領域を作成します。
  7. ジオデータベースを作成するための権限を sde ユーザに割り当てます。これらの権限の一覧については、「Oracle に格納されたジオデータベースに対するユーザ権限」をご参照ください。
  8. ArcSDE コンポーネントをインストールします(AIX 環境の場合は、インストールの前に slibclean を実行することをお勧めします)。
  9. $SDEHOME/etc 内のファイル(dbtune.sde ファイルを含む)および UNIX/etc ディレクトリ内のファイルを変更します。

    必要に応じて、dbtune.sde ファイル内の DATA_DICTIONARY キーワードの下にあるパラメータを変更して、これらのテーブルの表領域を指定します。この指定を行わない場合は、sde ユーザのデフォルト表領域がこれらのテーブルに使用されます。

  10. DBMS_PIPE および DBMS_LOCK に対する EXECUTE 権限を Public に付与します。
  11. ArcSDE と Oracle DBMS が別々のサーバにインストールされている場合は、ArcSDE サーバに Oracle クライアントをインストールし、構成する必要があります。また、EXTPROC で使用する共有ライブラリを Oracle サーバにコピーする必要があります。
  12. sdesetup コマンドを実行して、ジオデータベースを作成し、ArcGIS Server Enterprise ライセンスで認証します。「Linux または UNIX 上の Oracle に格納するジオデータベースの作成」をご参照ください。
  13. サービスを使用する場合は、sdemon コマンドを実行してサービスを開始します。手順については、「ローカル ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」または「リモート ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」をご参照ください。
  14. データベース内に他のユーザを作成して、権限を割り当てます。
  15. ダイレクト コネクションを使用してジオデータベースに接続する場合は、次のような追加手順を行います。
    1. ダイレクト コネクションを行うすべてのクライアント コンピュータに、Oracle クライアントをインストールします。
    2. クライアント上で tnsnames.ora ファイルを構成します。

    Oracle クライアントのインストールと構成については、Oracle のドキュメントをご参照ください。

  16. ArcSDE コンポーネントと Oracle が別々のサーバにインストールされている場合は、ArcSDE がインストールされているサーバに Oracle クライアントをインストールし、構成する必要があります。また、EXTPROC で使用する共有ライブラリを Oracle サーバにコピーする必要があります。

Windows 上の Oracle でのジオデータベースの設定の概要

  1. Oracle ソフトウェアをインストールします。
  2. 表領域およびログ ファイルの設定など、データベースの構成を行います。手順については、Oracle のドキュメントをご参照ください。
  3. Oracle リスナーを構成します。
  4. インストール ウィザードを使用して ArcSDE コンポーネントをインストールします。「ArcSDE for Oracle のインストール(Windows)」をご参照ください。
  5. 必要に応じて、dbtune.sde ファイル内の DATA_DICTIONARY キーワードの下にあるパラメータを変更して、これらのテーブルの表領域を指定します。この指定を行わない場合は、sde ユーザのデフォルト表領域がこれらのテーブルに使用されます。
    ヒントヒント:

    リポジトリ テーブルに対して dbtune.sde ファイルを変更するときに、ユーザ データのその他のパラメータを変更することもできます。

  6. ArcSDE for Oracle ポスト インストール ウィザードを実行してジオデータベースを作成し、ArcGIS Server Enterprise ライセンスを使用してジオデータベースを認証します。「Windows 上の Oracle に格納するジオデータベースの作成」をご参照ください。
  7. 必要に応じて、ポスト インストール ウィザードでデフォルトのジオメトリ格納タイプを選択します。
  8. ArcSDE サービスを使用してジオデータベースへの接続を作成する場合は、ポスト インストール ウィザードを使用してサービスを作成し開始することができます。
  9. データベース内に他のユーザを作成して、権限を割り当てます。
  10. ダイレクト コネクションを使用してジオデータベースに接続する場合は、次のような追加手順を行います。
    1. ダイレクト コネクションを行うすべてのクライアント コンピュータに、Oracle クライアントをインストールします。
    2. クライアント上で tnsnames.ora ファイルを構成します。

    Oracle クライアントのインストールと構成については、Oracle のドキュメントをご参照ください。

  11. ArcSDE と Oracle が別々のサーバにインストールされている場合は、ArcSDE がインストールされているサーバに Oracle クライアントをインストールし、構成する必要があります。また、EXTPROC で使用する共有ライブラリを Oracle サーバにコピーする必要があります。

7/10/2012