履歴バージョンの操作

履歴情報を調べるには、履歴バージョンを通じてデータにアクセスする必要があります。履歴バージョンに接続すると、データの任意の時点に接続することになります。この時点には、現在のデータベース時間(DEFAULT)を使用するか、または接続する日時を指定することができます。

履歴バージョンを表示するには、ArcCatalog の [空間データベース コネクション プロパティ] ダイアログ ボックスまたは ArcMap のカタログ ウィンドウを使用して、特定の日時に直接接続します。

[空間データベース接続] ダイアログ ボックス

接続先をトランザクション バージョンと履歴バージョンのどちらにするのか指定するには、このダイアログ ボックスの [接続の詳細] セクションで [変更] ボタンをクリックします。[接続の詳細] ダイアログ ボックスが表示されます。

履歴バージョンへの接続

履歴バージョンの表示を選択した場合は、リストから履歴マーカーまたは特定の日時を選択することができます。履歴マーカーとは、重要な日時にすばやく接続するために使用される名前付きの時点です。履歴マーカーの作成方法と作成時点については、「履歴マーカー」をご参照ください。接続が完了すると、ArcCatalog に表示されているすべてのデータセットのうち、履歴管理が有効なデータセットについては、指定した時点のデータが表示されます。

[接続の詳細] ダイアログ、あるいは ArcMap の [バージョンの変更] または [ジオデータベース履歴ビューア] ダイアログ ボックスから DEFAULT 履歴マーカーに接続すると、アーカイブ クラスの現在の状態が表示されます。これは、トランザクション バージョンにおける DEFAULT バージョンの状態と同じです。

DEFAULT 履歴マーカーへの接続は、読み取り専用の接続に限られるため、実際には同等のバージョン対応クラスを操作する場合よりもデータベース リソースを節約することができます。アーカイブ クラスは、差分テーブルまたは ArcSDE リポジトリのバージョニング テーブルに格納された情報に依存しません。このため、多くの場合、アーカイブ クラスで現在アクティブな(gdb_to_date 属性が 9999 年 12 月 31 日の)すべてのレコードを検索するほうが、DEFAULT トランザクション バージョンを検索するよりも高速です。

データベース時間更新コマンド データベース時間更新コマンド は、データ コントロールが使用する時間を現在のデータベース時間で更新します。これにより、データベース サーバと一致した日時がクライアントのデータ コントロールに表示されます。

履歴情報を操作する際には、DBMS に記録されたトランザクション時間はサーバのオペレーティング システムから受信したものであることに注意してください。これは、アーカイブ クラスへのアクセスと検索の方法に影響します。データベース時間更新コマンドは ArcMap の複数の場所に用意されており、現在のデータベース時間でデータ コントロールを更新します。これにより、データベース サーバと一致した日時がクライアントのデータ コントロールに表示されます。

サーバとは異なるタイム ゾーンを使用する場合は、時点検索にクライアントのオペレーティング システムの時間ではなく、サーバの時間を反映させる必要があります。たとえば、編集が午前 9 時 5 分(PST)に実行されたが、DBMS がニューヨークにある、という場合、この編集に記録されるトランザクション時間は、実際には午後 12 時 5 分(EST)です。したがって、編集ユーザが午前 9 時 5 分で履歴バージョンを検索した場合、サーバ上でフィーチャが作成された時刻は午前 9 時 5 分ではないため、編集内容は表示されません。新しく追加したフィーチャを表示するには、午後 12 時 5 分を指定してデータにアクセスする必要があります。

注意注意:

履歴管理が有効になる前の日時を指定した場合、データにアクセスすることはできません。履歴管理が有効になった後の時点を指定して接続した場合にのみ、履歴データにアクセスできます。たとえば、履歴管理を 2006 年 1 月 1 日に有効にした後、2005 年 12 月 31 日を指定して履歴バージョンに切り替えても、データは表示されません。

ArcMap で履歴バージョンを表示するには、まず、ArcMap のコンテンツ ウィンドウの [ソース] タブをクリックし、ワークスペースを右クリックして [バージョンの変更] をクリックします。表示される [バージョンの変更] ダイアログ ボックスを使用して、トランザクション バージョンまたは履歴バージョンのどちらかを選択できます。履歴バージョンに変更するには、[バージョンの種類] ドロップダウン リストから [履歴] を選択します。

[バージョンの変更] ダイアログ ボックスでの [履歴] オプションの選択

特定の時点の履歴バージョンを選択する方法は 2 つあります。名前付きの履歴マーカーを選択する方法と、特定の日時を選択する方法です。

履歴バージョンへの切り替え

履歴バージョンを変更すると、ArcMap に選択された時点を参照する履歴バージョンのデータが表示されます。

関連項目


7/10/2012