リコンサイルとポストの自動化
このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。
大規模なマルチユーザ編集では、通常はリコンサイルとポストのプロセスを自動化するのが最も効果的です。自動化により、編集操作を簡略化し、バージョン管理のオーバーヘッドを削減して、バージョンへのすべての変更をジオデータベースに効率的に反映させることができます。これら 2 つのプロセスを自動化するには、バッチ バージョン リコンサイル ツールを使用するか、バージョン リコンサイル サービスを実装します。これらはどちらも ArcGIS 開発者サンプルとして提供されています。
Reconcile ArcSDE versions in batch mode(バッチ バージョン リコンサイル ツール)
Versioning service(バージョン リコンサイル サービス)
バッチ リコンサイル
バッチ リコンサイル ユーティリティを使用することで、編集ユーザやプロジェクト マネージャがバージョン対応のジオデータベースに接続してバージョンを選択し、そのバージョン配下のすべてのバージョンから選択したバージョンに対してリコンサイルを実行し、(必要に応じて)ポストすることができます。リコンサイルとポストが正常終了した(つまり、競合が検出されなかった)場合には、子バージョンを削除することができます。競合が検出されると、リコンサイル プロセスは中断します。競合は、ArcMap のツールを使用して、通常の方法で解決する必要があります。この管理タスクは、毎日、毎週、またはその他適切な間隔で実行することができます。バッチ リコンサイル ユーティリティをカスタマイズして、任意の設定パラメータとともに既定の時刻に自動起動することもできます。
バッチ リコンサイル プログラムとポスト プログラムは、毎日または毎週何らかの作業を実行する組織に適しています。バッチ リコンサイル/ポストが適しているバージョニング シナリオには、次のものが含まれます。
- 複数のプロジェクト
- 限定的に公開されたデータベースを使用する複数のプロジェクト
- サブプロジェクトに分かれた複数のプロジェクト
- 分散データ管理(レプリケーションおよび非接続環境での編集)
バッチ リコンサイル/ポストが適していないバージョン ワークフローには、次のものが含まれます。
- DEFAULT バージョンの同時編集 ─ リコンサイル処理はすべて自動化されているので、バッチ リコンサイル/ポストはサポートされません。
- 段階的に進むプロジェクト ─ リコンサイルするバージョンとポストする親を決定するための特別なアプリケーション ロジックが必要になるため、一般にバッチ リコンサイルには適していません。
バージョン リコンサイル サービス
バージョン リコンサイル サービスは、クライアント コンピュータ上でバッググラウンド プロセスとして実行されるプログラムです。バージョンの編集を完了したユーザは、そのバージョンをリコンサイル サービスに送信します。リコンサイル サービスは、バージョンにリコンサイルのフラグが立っているかどうかを定期的にチェックします。そのようなバージョンが検出された場合は、それらのバージョンを自動的にリコンサイルして、親バージョンにポストします。リコンサイル サービス ユーティリティをカスタマイズして、リコンサイルとポストの対象となる新しいバージョンをチェックする頻度を変更することもできます。
バージョン リコンサイル プロセスをこのように自動化すると、リコンサイルを実行する責任をリコンサイル サービスに委譲できるので、ワークフローの管理に役立ちます。データ編集者も、引き続き他のタスクを実行することができます。ワークフローをこのように合理化すれば、編集するデータやユーザが増えたとしても、データ編集処理をより簡単に管理することができます。