ビルド(Build)の仕組み

このトピックは、ArcInfo にのみ適用されます。

[ビルド(Build)] は、入力カバレッジ内のフィーチャクラスを決定し、構築に使用できるものをリストします。

ポリゴンの構築

ポリゴン トポロジは、各ポリゴンを定義する一連のアークと、各アークの左右にあるポリゴンの内部番号を識別することで作成されます。開始ノードと終了ノードは、各アークの左右の向きを決定するために使用されます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 1

表 1:各ポリゴンを囲む一連のアーク

Polygon number 	Number of Arcs	 Arc numbers
1	             	4		             1,2,9,4
2	             	4	             	1,3,5,4
3	             	4	             	2,8,6,3
4	             	4	             	6,8,9,5

表 2:各アークの左右にあるポリゴン

Arc number	 From-node  To-node  Left Poly  Right Poly
1		         1	         2	       1	         2
2		         2	         7	       1	         3
3		         2	         3	       3     	    2
4		         4	         1	       1     	    2
5		         4	         3	       2	         4
6		         5	         3	       4	         3
7		         5	         6	       3	         3
8		         7	         5	       4	         3
9		         7	         4	       1	         4

[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、交差するアークがあるか確認し、あれば失敗します。[ビルド(Build)] を使用する前に、交差するアークを分割し、交点にノードを定義する必要があります。ただし、2 つのアークが交差し、両方のアークが交差するポイントに頂点を持つ場合、[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、その交点にノードが自動的に配置され、アークが分割されます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 2

ラベル ポイントは、各ポリゴンと関連付けられます。ラベル ポイントのユーザ ID は、ポリゴンのユーザ ID を割り当てるために使用されます。ラベル ポイントを持たないポリゴンのユーザ ID は 0 になります。ポリゴンのラベル ポイントが複数ある場合は、いずれか 1 つが任意に選択されてポリゴンのユーザ ID に割り当てられます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 3
Polygon Internal No.	   Polygon User-ID
1	                    		0
2	                    		101
3                      	102
4                    			0

PAT は、カバレッジ内のポリゴンに作成されます。カバレッジに既存の PAT がある場合、元の各ポリゴンの内部番号をリレート アイテムとして使用して、PAT の追加アイテムが出力 PAT に加えられます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 4

表 3:[ビルド(Build)] 実行前の EXCOV.PAT

AREA	  PERIMETER	 EXCOV# 	EXCOV-ID 	COVER-TYPE
-25.0	 20.0     	 1	      0	
2.0   	7.5	       2      	0	        Shrub
3.0	   9.0	       3	      13       	Trees
9.0   	11.0     	 4      	10	       Grass
3.5	   8.0	       5      	13	       Forest
1.0   	2.5	       6	      0        	Water
4.5   	9.0	       7	      14	       Shrub
2.0   	5.0	       8      	0        	Forest

表 4:[ビルド(Build)] 実行後の EXCOV.PAT

AREA  	PERIMETER	 EXCOV# 	EXCOV-ID 	COVER-TYPE
-25.0	 20.0	      1      	0	
2.0	   7.5	       2      	0	
3.0   	9.0	       3      	13	       Trees
9.0	   11.0	      4	      10	       Grass
3.5   	8.0	       5	      13       	Forest
1.0   	2.5	       6	      0	        Water
4.5   	9.0	       7      	14       	Shrub
2.0   	5.0	       8      	0

[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を使用する場合、ポリゴンのラベル ポイントは必須ではありませんが、用意しておくことをお勧めします。ポリゴン ラベルは、[ビルド(Build)] の中で属性を維持するために使用されます。必須ではありませんが、ラベル ポイントに一意な ID を与えることもお勧めします。

このカバレッジを構築したら、ラベル ポイントを持つすべてのポリゴンに対して、COVER-TYPE 属性値が維持されます。ラベルのないポリゴンでは、この属性は維持されません。カバレッジが既存の AAT を持つ場合、[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、各アークの内部番号をリレート アイテムとして使用して、AAT が自動的に再作成され、既存の AAT 属性が再結合されます。これは、NAT にも当てはまります。[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、NAT が再作成され、既存の NAT 属性が再結合されます。

[ビルド(Build)] は、座標のエラーがあるカバレッジには実行しないでください。[ポリゴン] オプションで [ビルド(Build)] を実行する場合に問題を引き起こす可能性のあるエラーには、交差するアーク(交差にノードが定義されていない)、閉じていないポリゴンあるいは一致しないノードおよびポリゴン スリバーなどがあります。

ラインの構築

[ライン] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、カバレッジ内のアークに対して AAT が作成されます。カバレッジが既存の AAT を持つ場合、アークの内部番号をリレート アイテムとして使用して、AAT 内の追加アイテムが出力 AAT に結合されます。次の例は、[ライン] オプションで [ビルド(Build)] を使用した AAT の作成を示しています。最初の例は、ポリゴン トポロジを含むカバレッジです。2 番目の例はポリゴン トポロジを含まないため、LPOLY と RPOLY の番号がゼロとして記録されます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 5

表 5:[ビルド(Build)] 実行後の VEG.AAT からのアイテム

FNODE	 TNODE	 LPOLY 	RPOLY  	LENGTH	   VEG# 	VEG-ID
1     	3     	2	     1	      5.0     		1   		1
1	     2     	3     	2      	2.0    			2	  		2
1	     4     	1     	3      	10.0   			3  			3
2	     3     	4	     2      	1.9    			4  			4
4     	2     	4	     3      	3.9    			5	  		5
3     	4     	4	     1      	5.1    			6  		 6
[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 6

表 6:[ビルド(Build)] 実行後の ROADS.AAT からのアイテム

FNODE 	TNODE 	LPOLY 	RPOLY 	LENGTH 	ROADS#	 ROADS-ID
0     	0     	0	     0     	1.0	   	1     		1
0     	0     	0     	0    		1.2    	2    			2
0     	0     	0     	0    		0.8    	3    			3
0     	0     	0     	0	    	0.9    	4	    		4
0     	0     	0     	0    		1.0	   	5    			5

[ライン] で [ビルド(Build)] を実行すると、[ポリゴン] オプションを使用した [クリーン(Clean)] または [ビルド(Build)] とは異なり、既存のアークノード トポロジは再構築されません。ただし、[リノード(Renumber Nodes)] を使用して、各アークの内部ノード番号と、各アークの開始ノードと終了ノードの内部番号を再設定することができます。これは、[ライン] オプションで [ビルド(Build)] を実行する前後に実行できます。そのため、FNODE#、TNODE#、および cover# アイテムの AAT は正常に更新されます。

ポイントの構築

[ポイント] オプションは、カバレッジ内のポイント フィーチャに対して PAT を構築します。AREA と PERIMETER の値は 0 に設定されます。カバレッジが既存の PAT を持つ場合、各ポイントの元の内部番号をリレート アイテムとして使用して、PAT 内の追加アイテムは出力 PAT に結合されます。

ノードの構築

[ノード] オプションで [ビルド(Build)] を実行すると、カバレッジ内のノード フィーチャに対して NAT が構築されます。内部 ARC 番号は、そのノードと接続されているアークの 1 つ(ランダムに選択)を指します。カバレッジに既存の NAT がある場合、各ノードの元の内部番号をリレート アイテムとして使用して、NAT の追加アイテムが出力 NAT に結合されます。

[ビルド(Build)](カバレッジ)の例 7

表 7:[ビルド(Build)] 実行後の VEG.NAT からのアイテム

ARC#	 VEG# 	VEG-ID
2    	1	    1
5	    2	    4
4	    3    	3
5    	4    	12

ユーザ定義のアイテムを NAT にアタッチして、一致するノードを異なる標高で維持しない場合、[リノード(Renumber Nodes)] を <cover> に対して実行します。すると、すべての一致するノードがディゾルブされ、内部ノード番号が 1 から順番に再設定されます。コマンドの通常の順序は次のとおりです。

CLEAN <cover> POLY
BUILD <cover> LINE
BUILD <cover> NODE
RENODE <cover>

一意のユーザ ID を NAT 内のノードに割り当て、[アイテムの追加(Add Item)] を実行してユーザ属性を追加します。ただし、一致するノードを異なる標高で維持する場合は、オプションのエレベーション アイテムを使って [リノード(Renumber Nodes)] を実行します。コマンドの通常の順序は、次のとおりです。

BUILD <cover> LINE

[アイテムの追加(Add Item)] を実行して、{from_item} と {to_item} を AAT に追加します。異なる標高値を一致するノードに割り当てます。

BUILD <cover> NODE
RENODE <cover> {from_item}{to_item}

一意のユーザ ID を NAT 内のノードに割り当て、[アイテムの追加(Add Item)] を実行してユーザ属性を追加します。

アノテーション サブクラスの構築

[アノテーション サブクラス] パラメータは、カバレッジ内のアノテーション フィーチャに対して TAT を構築します。最小の TAT は、subclass-ID と subclass# から構成されます。カバレッジに既存の TAT がある場合、各アノテーションの元の内部番号をリレート アイテムとして使用して、TAT の追加アイテムが出力 TAT に結合されます。

[アノテーション サブクラス] オプションで [ビルド(Build)] を実行しても、空間インデックスは破壊されません。空間インデックスは、他のフィーチャクラスの空間インデックスも含めて、影響を受けません。編集マスクもあれば、そのままです。ただし、他のフィーチャクラスに [ビルド(Build)] を実行すると、編集マスクは削除されます。

推奨する後処理

[ビルド(Build)] はアイテム インデックスを削除します。アイテム インデックスを作成するには、[インデックスの追加(Index Item)] を使用します。


7/10/2012