メタデータの整合チェック
ArcGIS メタデータは、現在の ArcGIS のメタデータのスタイルに関連付けられているメタデータ標準のガイドラインに従って作成されます。メタデータの整合チェックは、メタデータがメタデータ標準のガイドラインに準拠しているかどうかをチェックするプロセスです。さまざまなジオプロセシング ツールを使用して、さまざまな方法でメタデータの整合チェックを行うことができます。
XML スキーマの整合チェック(XML Schema Validation)
[XML スキーマの整合チェック(XML Schema Validation)] は、XML ファイルが XML スキーマまたは XML DTD で定義されている構造およびコンテンツのルールに準拠しているかどうかをチェックする汎用ツールです。このツールは、メタデータの整合チェックに使用できるだけではなく、XML ファイルでも使用できます。ファイルの整合チェック中に問題が検出された場合は、ツールのメッセージの一部として報告されます。
ArcGIS メタデータは、メタデータ標準の XML スキーマを使用して直接整合チェックを行うことができるように格納されていません。このツールを使用して直接 ArcGIS アイテムのメタデータの整合チェックを行うことはできません。
メタデータの整合チェック(Validate Metadata)とメタデータの整合チェック(マルチプル)(Validate Metadata Multiple)
[メタデータの整合チェック(Validate Metadata)] と [メタデータの整合チェック(マルチプル)(Validate Metadata Multiple)] は、ArcGIS メタデータをスタンドアロンのメタデータ XML ファイルにエクスポートしてから、XML スキーマを使用してエクスポートした XML ファイルの整合チェックを行います。
[メタデータの整合チェック(Validate Metadata)] は 1 つの ArcGIS アイテムのメタデータの整合チェックを行うために使用し、[メタデータの整合チェック(マルチプル)(Validate Metadata Multiple)] は複数の ArcGIS アイテムのメタデータの整合チェックを一度に行うために使用します。
メタデータ標準の XML スキーマに従って書式設定されたメタデータは、標準の XML スキーマまたは DTD に対して直接整合チェックすることができます。これらのファイルは、[XML スキーマの整合チェック(XML Schema Validation)] ツールを使用して整合チェックします。これらのファイルの整合チェックには、[メタデータの整合チェック(Validate Metadata)] または [メタデータの整合チェック(マルチプル)(Validate Metadata Multiple)] ツールを使用しないでください。
これらのツールのダイアログ ボックスを開く方法にはいくつかあります。ツールで使用されるデフォルト値は、ツールを開いた方法によって異なることがあります。
- 各ツールは、[System Toolboxes] フォルダ内の [変換] ツールボックスを開いて、直接カタログ ウィンドウ ウィンドウから開くことができます。この方法で開く場合、[トランスレータ]、[スキーマ URL]、および [名前空間 URI] パラメータはあらかじめ定義されていません。
- 各ツールは、ArcToolbox ウィンドウの [変換] ツールボックスから開くことができます。この方法で開く場合、[トランスレータ]、[スキーマ URL]、および [名前空間 URI] パラメータはあらかじめ定義されていません。
- [検索] ウィンドウで、「validate metadata」という検索条件を使用してツールを検索すると、検索結果には [メタデータの整合チェック(Validate Metadata)] ツールと [メタデータの整合チェック(マルチプル)(Validate Metadata Multiple)] ツールが含まれます。検索結果にあるツール名をクリックして、ツールを開きます。[トランスレータ]、[スキーマ URL]、および [名前空間 URI] パラメータはあらかじめ定義されていません。
- アイテムのメタデータを表示し、[説明] タブの [整合チェック] ボタンをクリックします。[トランスレータ]、[スキーマ URL]、および [名前空間 URI] パラメータは、現在の ArcGIS メタデータのスタイルに対応する値に設定されます。
- ArcCatalog の [メタデータ] ツールバーで [メタデータの整合チェック] ボタンをクリックします。[トランスレータ]、[スキーマ URL]、および [名前空間 URI] パラメータは、現在の ArcGIS メタデータのスタイルに対応する値に設定されます。
メタデータの整合チェックを行ったら、エクスポートした XML ファイルを維持するかどうかを決定できます。
ESRI メタデータ トランスレータ(ESRI Metadata Translator)
[ESRI メタデータ トランスレータ(ESRI Metadata Translator)] ツールの主な機能は、ArcGIS のメタデータをメタデータ標準の XML スキーマに準拠するようにフォーマットされている XML ファイルにエクスポートすることです。
ただし、エクスポートのプロセスの一部として、Esri メタデータ変換エンジンは、ArcGIS または ESRI-ISO から ISO 19139、ISO 19139 から ArcGIS、FGDC から ArcGIS、および FGDC から ISO 19139 へのトランスレータが使用されているときに、その特殊な整合チェック ルールを使用してメタデータ ドキュメント全体を評価し、問題を検出したら報告します。これらの整合チェック ルールには、XML スキーマでエンコードできない可能性のあるメタデータ標準のドキュメントで指定されているルールが含まれます。たとえば、メタデータ標準で定義されている一連のルールは、メタデータ エレメントに特定の値がある場合にのみ適用されることがあります。場合によっては、条件付きで必要とされるエレメントは、XML スキーマでオプションとして定義されています。
このツールによって整合チェックに関する警告が検出された場合は、このツールのメッセージの一部として報告されます。整合チェックに関する警告は、後でメタデータを編集するときなどに参照できるログ ファイルに保存することもできます。
USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)
[USGS MP メタデータ トランスレータ(USGS MP Metadata Translator)] は、FGDC(Federal Geographic Data Committee)の CSDGM(Content Standard for Digital Geospatial Metadata)XML 形式に従ったアイテムのメタデータまたは XML ファイルに含まれるメタデータ エレメントを使用します。このコンテンツがアイテムのメタデータにある場合は、アイテムのメタデータにフル アクセス可能なメタデータ スタイルを使用しているときに、[説明] タブの [FGDC メタデータ](読み取り専用) の見出しの下に表示されます。
たとえば、メタデータに ArcGIS Desktop 9.3.1 またはそれ以前の ArcGIS Desktop で FGDC メタデータ エディタを使用して作成されたメタデータがあり、このアイテムのメタデータが ArcGIS のメタデータにアップグレードされている場合、その ArcGIS のメタデータには引き続き元の FGDC メタデータの XML エレメントが含まれます。この例では、このツールは元の FGDC メタデータだけをエクスポートします。このコンテンツは、ArcGIS Desktop の現在のリリースの FGDC メタデータ エディタ アドインを使用して提供されている場合もあります。
同様に、このツールは、ArcGIS 以外で FGDC CSDGM のメタデータ形式に従って作成されたスタンドアロンのメタデータ XML ファイルを整合チェックするために使用できます。
このツールは、mp と呼ばれるメタデータ構文解析プログラム ユーティリティを使用して、FGDC メタデータのエクスポートと整合チェックを行います。このツールの [変換タイプ] が [none] に設定されている場合、メタデータの整合チェックのみが実行されます。このツールを使用するときに、mp のメッセージを格納するログ ファイルが指定されていない場合は、整合チェックの警告またはエラーがツールのメッセージに報告されます。mp の整合チェックに関する警告とエラーは、アイテムのメタデータを更新するときに参照できるログ ファイルに保存してください。