PostgreSQL を Linux サーバに ArcSDE を Windows サーバにインストール

ArcSDE を Windows オペレーティング システム(OS)のサーバにインストールして、PorsgreSQL データベース クラスタを Linux OS のサーバにインストールする場合は、Linux サーバに PostgreSQL をインストールしてデータベースを設定した後、ArcSDE サーバでインストール プログラムを実行して ArcSDE をインストールします。次に、ジオデータベースのポスト インストール セットアップを ArcSDE サーバから手動で実行します。

ArcSDE を PostgreSQL データベースとは異なる OS のサーバにインストールする場合は、PostgreSQL のインストール先にコピーまたは FTP 転送するファイルが、PostgreSQL サーバの OS 上で実行できることを確認する必要があります。つまりこのシナリオでは、ArcSDE インストール メディア の st_geometry.so ファイルおよび、ST_Raster を使用する場合は libst_raster_pg_so ファイルを、PostgreSQL コンピュータに FTP 転送する必要があります。

同様に、ArcSDE で必要な PostgreSQL ファイルも Windows 用である必要があります。これらのファイルを取得するには、Windows サーバに PostgreSQL を一時的にインストールする必要があります。

手順:
  1. ArcSDE サーバが ArcSDE のインストール要件を満たしていること、および PostgreSQL サーバが PostgreSQL のインストール要件を満たしていることを確認します。古いバージョンの PostgreSQL が PostgreSQL サーバ上に存在しないことも確認してください。
  2. root ユーザとしてログインします。
  3. PostgreSQL サーバ上の ArcSDE インストール ファイルにアクセスします。
    • DVD を持っている場合は、適切なドライブにセットしてドライブをマウントします。
    • ISO イメージをダウンロードした場合は、イメージ用のディレクトリを作成して、イメージをマウントします。

    以下は、ディレクトリを作成してイメージをマウントする例です。

    mkdir /mnt/iso

    mount -o loop /mydir/downloads/ArcSDE10_UNIX_123456.iso /mnt/iso

  4. ディレクトリをイメージの場所または DVD ドライブに変更します。
  5. インストール メディアにある RPM をインストールします。
  6. postgres ユーザとしてログインし、postgres ユーザのシェル ファイルで次の変数を定義してシェルを準備します。

    create_pgdb.sde スクリプトは最初の変数を設定します。パス関係の変数は手動で設定する必要があります。

    以下は、.bashrc および .bash_profile 用のシェル スクリプトの例で、デフォルトの場所を示しています。

    PGDATA=/var/lib/pgsql/data
    export PGDATA

    PATH=$PATH:/usr/bin
    export PATH

    32 ビット サーバの場合:

    LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib
    export LD_LIBRARY_PATH

    64 ビット サーバの場合:

    LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib64
    export LD_LIBRARY_PATH

    メモメモ:

    これらの変数を定義したら、source コマンドでシェル ファイルを読み込んでください。

  7. デフォルト以外の場所に表領域を格納する場合は、次のようなコマンドを発行して、ArcSDE 表領域を格納するディレクトリを作成します。

    mkdir $PGDATA/sde

    chown -R postgres $PGDATA/sde

    上記の例では、sde はディレクトリの名前です。

  8. postgres ユーザとして、setup_pgdb.sde スクリプトを実行します。
  9. クライアント接続を受け入れるように PostgreSQL データベース クラスタを設定します。手順については、「クライアント接続を受け入れるための PostgreSQL データベース クラスタの設定(Linux)」をご参照ください。
  10. st_geometry.so ファイル、および、ST_Raster タイプを使用する場合は libst_raster.so ファイルを、インストール メディアから、PostgreSQL インストール先の usr/lib/pgsql ディレクトリ(32 ビット サーバ)または usr/lib64/pgsql ディレクトリ(64 ビット サーバ)に FTP 転送します。
  11. PostgreSQL サーバのドライブからインストール DVD を取り出し、これを ArcSDE サーバのドライブに挿入します。または PostgreSQL サーバから ISO イメージを ArcSDE サーバに移動します。
  12. Windows 用の ArcSDE for PostgreSQL インストール プログラムを実行します。
    メモメモ:

    ソフトウェアをインストールするには、サーバの Windows 管理者である必要があります。

  13. Windows バージョンの PostgreSQL ライブラリを SDEHOME にコピーする必要があるため、先に進み、インストール ウィザードの [インストール オプション] ダイアログ ボックスが表示されたら PostgreSQL と ArcSDE の両方をインストールします。
  14. PostgreSQL のインストール(Windows)」および「ArcSDE for PostgreSQL のインストール(Windows)」の手順に従って、ArcSDE サーバに PostgreSQL と ArcSDE をインストールします。
  15. ArcSDE がインストールされたら、ポスト インストール ウィザードは続行しないでください。
  16. ArcSDE(Windows)サーバの PostgreSQL のインストール先の bin フォルダに移動します。
  17. PostgreSQL のインストール先にある次のファイルを SDEHOME\bin フォルダにコピーします。 comerr32.dll, gssapi32.dll, k5sprt32.dll, krb5_32.dll, libeay32.dll, libiconv2.dll, libintl3.dll, libpq.dll, and ssleay32.dll.
  18. ArcSDE サーバから PostgreSQL をアンインストールします。
    1. Windows の [コントロール パネル] を開きます。
    2. [プログラムの追加と削除](Windows Server 2003)または [プログラムと機能](Windows Server 2008)を開きます。
    3. リストから PostgreSQL 8.3.8 を選択して、[削除](Windows Server 2003)または [アンインストールと変更](Windows Server 2008)をクリックします。
    4. PostgreSQL のインストール先に移動してファイルを削除します。
  19. ArcSDE がインストールされているサーバの SDEHOME/etc ディレクトリの dbinit.sde ファイルに、PGHOST および PGPORT の各環境変数を設定します。

    PGHOST には、PostgreSQL がインストールされているサーバの名前を指定します。PGPORT には、PostgreSQL ポストマスタ プロセスがリスニングしているポート番号を指定します。このファイルで設定する環境変数については、「dbinit.sde ファイル」をご参照ください。

  20. ArcSDE サーバの Microsoft DOS プロンプトから sde データベース ユーザとして sdesetup コマンドを実行し、ArcSDE ジオデータベース リポジトリを作成して、ソフトウェアを認証します。
    sdesetup -o install -d POSTGRESQL 
    -s <DBMS_server_name> -D <database_name> 
    -l <authorization_key> -u sde
    
  21. ArcSDE サービスを使用する場合は、Windows の services ファイルおよび ArcSDE の services.sde ファイルに ArcSDE サービスの名前とポート番号を追加します。
    メモメモ:

    Windows の services ファイルを変更するには、サーバの管理者である必要があります。

  22. ArcSDE サービスを使用してジオデータベースに接続する場合は、「リモート Windows サーバから ArcSDE サービスを作成する」をご参照ください。
  23. サービスを使用する場合は、sdemon コマンドを実行してサービスを開始します。
    sdemon -o start -i <ArcSDE_service_port_number>
    

sdesetup、sdeservice、sdemon の各コマンドの使用方法については、ArcGIS Server Enterprise に付属している『ArcSDE コマンド リファレンス』をご参照ください。


3/6/2012