異なる Linux サーバへの ArcSDE と PostgreSQL のインストール

どちらも Linux オペレーティング システム(OS)の別々のサーバ上に ArcSDE と PostgreSQL をそれぞれインストールする場合、インストールは同じサーバ上にこれら両方をインストールする場合とほぼ同じです。違いは、ArcSDE サーバ上に sde OS ユーザ、PostgreSQL サーバ上に postgres OS ユーザを作成して、sdesetup を実行する際に -s オプションを指定する必要があるということだけです。

手順:
  1. ArcSDE サーバが ArcSDE のインストール要件を満たしていること、および PostgreSQL サーバが PostgreSQL のインストール要件を満たしていることを確認します。古いバージョンの PostgreSQL が PostgreSQL サーバ上に存在しないことも確認してください。
  2. root ユーザとしてログインします。
  3. PostgreSQL サーバ上の ArcSDE インストール ファイルにアクセスします。
    • DVD を持っている場合は、適切なドライブにセットしてドライブをマウントします。
    • ISO イメージをダウンロードした場合は、イメージ用のディレクトリを作成して、イメージをマウントします。

    以下は、ディレクトリを作成してイメージをマウントする例です。

    mkdir /mnt/iso

    mount -o loop /mydir/downloads/ArcSDE10_UNIX_123456.iso /mnt/iso

  4. ディレクトリをイメージの場所または DVD ドライブに変更します。
  5. インストール メディアにある RPM をインストールします。
  6. postgres ユーザとしてログインし、postgres ユーザのシェル ファイルで次の変数を定義してシェルを準備します。

    create_pgdb.sde スクリプトは最初の変数を設定します。パス関係の変数は手動で設定する必要があります。

    以下は、.bashrc および .bash_profile 用のシェル スクリプトの例で、デフォルトの場所を示しています。

    PGDATA=/var/lib/pgsql/data
    export PGDATA

    PATH=$PATH:/usr/bin
    export PATH

    LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib
    export LD_LIBRARY_PATH

    メモメモ:

    これらの変数を定義したら、source コマンドでシェル ファイルを読み込んでください。

  7. デフォルト以外の場所に表領域を格納する場合は、次のようなコマンドを発行して、ArcSDE 表領域を格納するディレクトリを作成します。

    mkdir $PGDATA/sde

    chown -R postgres $PGDATA/sde

    上記の例では、sde はディレクトリの名前です。

  8. postgres ユーザとして、setup_pgdb.sde スクリプトを実行します。
  9. クライアント接続を受け入れるように PostgreSQL データベース クラスタを設定します。手順については、「クライアント接続を受け入れるための PostgreSQL データベース クラスタの設定(Linux)」をご参照ください。
  10. ArcSDE のインストール メディアを ArcSDE サーバの該当するドライブにセットしてドライブをマウントします。
  11. ArcSDE for PostgreSQL のインストール(Linux)」の手順に従って、ArcSDE をインストールします。
  12. root ユーザとして、st_geometry.so ファイルと(オプションで)libst_raster_pg.so ファイルを、ArcSDE サーバの $SDEHOME/bin ディレクトリから、PostgreSQL サーバの PostgreSQL インストール先にある usr/lib/pgsql ディレクトリ(32 ビット サーバ)または usr/lib64/pgsql ディレクトリ(64 ビット サーバ)に FTP 転送します。
  13. ArcSDE が接続する必要のある PostgreSQL ライブラリを取得するには、root ユーザとして ArcSDE サーバに postgresql-libs-8.3.8-1PGDG.rhel5 パッケージをインストールします。
  14. ArcSDE がインストールされているサーバの SDEHOME/etc ディレクトリの dbinit.sde ファイルに、PGHOST および PGPORT の各環境変数を設定します。

    PGHOST には、PostgreSQL がインストールされているサーバの名前を指定します。PGPORT には、PostgreSQL ポストマスタ プロセスがリスニングしているポート番号を指定します。このファイルで設定する環境変数については、「dbinit.sde ファイル」をご参照ください。

  15. ArcSDE サービスを使用してジオデータベースに接続する場合は、システムの etc ディレクトリにある services ファイルをテキスト エディタで開きます。
    メモメモ:

    services ファイルを変更するには、root 権限によるアクセスが必要です。

  16. ArcSDE サービスで使用するサービス名と TCP/IP ポート番号を定義する行を services ファイルに追加します。

    services ファイルに次のような行を追加します。

    esri_sde    5151/tcp    #ArcSDE on pinetree

    メモメモ:

    サービスに接続するユーザは、ポート番号(この例では 5151)を使用して接続できます。サービス名(この例では esri_sde)を使用して接続する場合は、システムの services ファイルに同様の行を追加する必要があります。

  17. ArcSDE サービスを使用する場合は、$SDEHOME/etc/services.sde ファイルをテキスト エディタで開き、/etc/services ファイルの場合と同様の行を追加します。
  18. sdesetup コマンドを実行してジオデータベースを作成します。-s オプションを使用して PostgreSQL サーバ名を指定してください。
    sdesetup -o install -d POSTGRESQL 
    -u sde -s pgserver -D arcsdegdb
    -l arcsdeserver,93,ecp123456,none,ABCDEF
    

    sdesetup で -l オプションを指定すると、使用するジオデータベースを認証できます。このコマンドの実行時にこのオプションを指定しない場合は、update_key 操作で sdesetup コマンドを実行してジオデータベースを認証する必要があります。

  19. PostgreSQL での ArcSDE ジオデータベースの認証(Linux)」の手順に従ってください。
  20. ArcSDE サービスを使用する場合は、「ローカル ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」または「リモート ArcSDE サービスの開始(Linux または UNIX)」の手順に従ってサービスを開始します。

3/6/2012