画像分類とは

画像分類とはマルチバンド ラスタ イメージから情報クラスを抽出するタスクのことを指します。画像分類された結果のラスタは主題図の作成に使用することができます。分類時の解析者とコンピュータとのやり取りによって、教師付き分類と教師なし分類の 2 種類の分類に分けられます。

ArcGIS Spatial Analyst エクステンションでは教師付き分類および教師なし分類を実行するすべてのツールが [多変量解析] ツールセット内にあります(「多変量解析ツールセットの概要」を参照)。分類処理は複数のステップによるワークフローとなっているため、[画像分類] ツールバーはツールによる分類を実行する統合環境を提供できるように開発されています。このツールバーは教師なし分類および教師付き分類を実行するワークフローに役立つだけではなく、入力データの解析、トレーニング サンプルおよびシグネチャ ファイルの作成、トレーニング サンプルおよびシグネチャ ファイルの品質の決定といった作業を実現する追加機能も含んでいます。分類および多変量解析を実行するには、[画像分類] ツールバーを使用することをお勧めします。

教師付き分類

教師付き分類は、トレーニング サンプルから得られたスペクトル シグネチャを使用して画像を分類します。[画像分類] ツールバーを使用して、抽出するクラスを表すトレーニング サンプルを簡単に作成することができます。また、トレーニング サンプルからシグネチャ ファイルを簡単に作成し、多変量分類ツールによる画像の分類に使用することもできます。

教師なし分類

教師なし分類は解析者とのやり取りを行わずに、マルチバンド画像のスペクトル クラス(またはクラスタ)を検出します。[画像分類] ツールバーでは、クラスタを作成するツールへのアクセス、クラスタの品質を解析する機能、および分類ツールへのアクセスを提供しており、教師なし分類の実行に役立ちます。

次の例では、Landsat TM 衛星画像の分類に [画像分類] ツールバーを使用しています。

次に示す未補正の衛星画像は、オハイオ州シンシナティの北側の地域を映した 4 バンドの Landsat TM 画像です。

入力 Landsat TM 画像
入力 Landsat TM 画像

ツールバーを使用して、5 つの土地利用クラス(「商業地域/工業地域」、「住宅地」、「耕作地」、「森林」、「草地」)を衛星画像から定義しました。

収集されたトレーニング サンプル
トレーニング サンプル

トレーニング サンプルの品質は [トレーニング サンプル マネージャ] のトレーニング サンプル評価ツールを使用して解析できます。

トレーニング サンプルの評価
トレーニング サンプルの評価

[画像分類] ツールバーと [トレーニング サンプル マネージャ] を使用して、トレーニング サンプルがこの地域を代表的に表現しており、統計的に分離されていることを判断します。そして、最尤法分類をツールバーから実行します。分類された画像はきれいに処理され、下の図に示す最終的な土地利用マップが作成されます。

出力された分類済み土地利用マップ
出力された分類済み土地利用マップ

関連項目


7/10/2012