ラスタ データを使用するときのサービス ケーパビリティ

ArcGIS には、マップ、イメージ、ジオコーディング、ジオプロセシング、ジオデータ、グローブといった複数のサービスが存在します。これらのサービスにはネットワーク解析やモバイル アクセスなどのさまざまなケーパビリティがあり、ジオプロセシングやジオデータなどの ArcGIS Server サービスと関連付けられています。これらのサービスには、オープンな規格とプロトコルを使用して Web からアクセスでき、またサービスのタイプに依存して、WMS、WCS、WFS（Open Geospatial Consortium, Inc. [OGC]、Web フィーチャ サービス）として公開できます。

ラスタ データは、これらのサービスの多くでレイヤとして提供するか、独自のケーパビリティを持つイメージ サービスとして提供できます。

次の表に、すべてのサービス ケーパビリティを概説し、それらのサービスでラスタ データを使用する方法を示します。

ケーパビリティ	機能	必要な GIS リソース	ラスタ データの使用
ジオコーディング	住所ロケータにアクセスできるようにします。ジオコード サービスを公開する際、このケーパビリティは常に有効になります。	住所ロケータ ファイル（*.loc）、ArcView 3 ロケータ（*.mxs）、ArcSDE ロケータ、パーソナル ジオデータベース ロケータ、ファイル ジオデータベース ロケータ	なし
ジオデータ	データのクエリ、抽出、およびレプリケーションのために、ジオデータベースのコンテンツにアクセスできるようにします。このケーパビリティは、ジオデータ サービスを公開するときに常に有効になります。	SDE 接続ファイル（*.sde）、パーソナル ジオデータベース、ファイル ジオデータベース、またはジオデータベースのレイヤを含むマップ ドキュメント	SDE には、ラスタ データセットまたはラスタ カタログを含めることができます。マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、またはラスタ カタログ レイヤを含めることができます。
ジオデータ アクセス	エンド ユーザが ArcMap でレプリケーションとデータ抽出を実行できます。マップ ドキュメントの公開中にこのケーパビリティを有効にすると、関連するジオデータ サービスが作成されます。	ジオデータベースのレイヤを含むマップ ドキュメント（*.mxd）	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを背景画像として含めることができます。
ジオプロセシング	ツールボックスまたはツール レイヤからジオプロセシング モデルへのアクセスを可能にします。ツール レイヤとは、モデルを ArcToolbox からマップ ドキュメントのコンテンツ ウィンドウにドラッグしたもの。マップ ドキュメントの公開時にこのケーパビリティを有効にすると、関連するジオプロセシング サービスが作成されます。このケーパビリティは、ジオプロセシング サービスを公開するときに常に有効になります。	ツールボックス（*.tbx）、ArcSDE ツールボックス、またはツール レイヤを含むマップ ドキュメント	なし
グローブ	グローブ ドキュメントのコンテンツへのアクセスを可能にします。このケーパビリティは、グローブ サービスを公開するときに常に有効になります。	グローブ ドキュメント（*.3dd）	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを含めることができます。
イメージ サービス	ラスタ データへのアクセスを可能にします。	ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤ	このサービスには、ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤを含めることができます。
KML（または KMZ）	マップ ドキュメントを使用して、KML（Keyhole Markup Language）フィーチャを作成します。	マップ ドキュメント、ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤ	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを含めることができます。 KMZ には、ArcGIS Services Directory を表示することでイメージ サービスからアクセスできます。
マッピング	マップ ドキュメントのコンテンツへのアクセスを可能にします。このケーパビリティは、マップ サービスを公開するときに常に有効になります。	マップ ドキュメント（*.mxd）、最適化マップ ドキュメント（*.msd）、またはパブリッシュ マップ ドキュメント（*.pmf）	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを含めることができます。
モバイル データ アクセス	マップ ドキュメントからモバイル デバイスへのデータの抽出を可能にします。	マップ ドキュメント（*.mxd）	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを含めることができます。
ネットワーク解析	ArcGIS Network Analyst エクステンションを使用して交通ネットワーク解析を行います。	ネットワーク データセットを基に構築されたネットワーク解析レイヤを含むマップ ドキュメント（*.mxd）、またはネットワーク データセットを参照するネットワーク解析レイヤを含むマップ ドキュメント	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを背景画像として含めることができます。ラスタ データを実際のネットワーク解析で使用することはできません。
WCS	ラスタ データへのアクセスを可能にします。このサービスは、ジオプロセシング ツールへのラスタ入力として使用することができます。	ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤ、マップ ドキュメント（*.mxd）、またはラスタ データセットを含むジオデータベース	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤを含めることができます。
WMS	OGC WMS（Web Map Service）仕様に準拠するサービスを提供します。	マップ ドキュメント（*.mxd）、ラスタ データセット、ラスタ データセット レイヤ、モザイク データセット、またはモザイク データセット レイヤ	マップ ドキュメントには、ラスタ データセット、モザイク データセット、ラスタ カタログ、またはイメージ サービス レイヤを含めることができます。イメージ サービスを使用している場合、このケーパビリティはマップ ドキュメントを必要としません。

ラスタ データによるサービス ケーパビリティ