ArcGIS 10 での 9.x Spatial Analyst ツールバー機能へのアクセス

ArcGIS 10 では、Spatial Analyst のすべての機能がジオプロセシング ツールと Python を通じて提供されます。

ArcGIS 9.3 の [Spatial Analyst] ツールバー外部リンク およびそれ以前の ArcGIS のツールバーに慣れていると、ArcGIS 10 のツールバーにいくつかのツールのドロップダウン リストがないことに気付くはずです。ドロップダウン リストから利用できた個別機能は約 30 に過ぎませんでしたが、ジオプロセシング ツールを使用すると、Spatial Analyst の 170 の全個別機能にフルにアクセスできます。これには、以前の [ラスタ演算] または [ワークステーション グリッド] では利用できなかった 14 の機能が含まれます。

必要に応じて、頻繁に使用するツールを追加し、デフォルトの [Spatial Analyst] ツールバーをカスタマイズすることができます。

9.x ツールバーのツールとそれに対応するジオプロセシング ツール

次の表は、ArcGIS 9.x の [Spatial Analyst] ツールバーで提供されていたツールと、それに対応する ArcGIS 10 の Spatial Analyst ジオプロセシング ツールの関係を示しています。

9.3 Spatial Analyst ツールバーの操作

対応するジオプロセシング ツール

距離

直線

オプション出力:

  • 方向データの作成
  • アロケーション データの作成

ユークリッド距離

オプション出力:

アロケーション

ユークリッド アロケーション

加重コスト

オプション出力:

  • 方向データの作成
  • アロケーション データの作成

コスト距離

オプション出力:

最短パス

コスト パス

密度

密度のタイプ:

  • カーネル
  • シンプル

同等のツール:

内挿してラスタに変換

Inverse Distance Weighted

IDW(Inverse Distance Weighted)

スプライン(Spline)

スプライン

クリギング(Kriging)

クリギング

サーフェス解析

コンター(Contour)

コンター

傾斜角(Slope)

傾斜角

傾斜(Aspect)

傾斜

陰影起伏(Hillshade)

陰影起伏

可視領域

観測ポイント(Observer Points),

可視領域(Viewshed)

切り盛り(Cut/Fill)

切り盛り

セル統計(Cell Statistics)

セル統計

近傍統計情報

フォーカル統計(Focal Statistics)

ゾーンの統計情報

ゾーン統計をテーブルに出力(Zonal Statistics as Table)

ゾーン ヒストグラム(Zonal Histogram)

ゾーン ヒストグラム

再分類(Reclassify)

再分類

ラスタ演算(Raster Calculator)

ラスタ演算

変換

フィーチャをラスタに変換(Feature to Raster)

フィーチャをラスタに変換

[変換ツールボックス] [ラスタへ変換] ツールセット)。

ラスタをフィーチャに変換

ラスタ → ポイント(Raster to Point)

ラスタ → ポリライン(Raster to Polyline)

ラスタ → ポリゴン(Raster to Polygon)

[変換ツールボックス] [ラスタから変換] ツールセット)。

オプション

[一般] タブ:

  • 作業ディレクトリ
  • マスクの設定
  • 解析時の座標系

同等のツール:

[範囲] タブ:

  • 解析範囲
  • スナップ範囲

同等のツール:

セル サイズ

  • 解析セル サイズ

同等のツール:

解析環境

ArcGIS 9.x では、ツールバーの解析環境は [オプション] メニューから操作され、ジオプロセシング ツールで使用される環境設定とは切り離されていました。その結果、ツールバーとジオプロセシング ツールで同様の操作を実行するときに、混乱と不整合が生じることがありました。ArcGIS 10 では、ツールを実行するときの解析環境を 1 つだけにすることで、状況を簡素化しています。詳細については、「ジオプロセシング環境設定」をご参照ください。

9.x ツールバーからの対応するツールの検索

以前の [Spatial Analyst] ツールバーのツールに対応する Spatial Analyst ジオプロセシング ツールが見つからないときのために、[検索] ウィンドウは、以前の名前を取り込み、それに対応する新しいツールを提示するようにプログラミングされています。

たとえば、Spatial Analyst 9.3 のツールバーから [距離] [直線] ツールに対応するツールを見つけるには、次の手順を実行します。

  1. [検索] ボタン 検索ウィンドウ をクリックするか、Ctrl + F キーを押します。
  2. [ツール] リンクをクリックします。
  3. 検索ボックスに探しているツールの名前を入力し、Return キーを押します。

返されるリストにツールの名前が表示されます。次の例では、ツールバーの [最短パス(Shortest Path)] アイテムが検索され、最初に [コスト パス(Cost Path,)] が返されていますが、これがこのツールバー機能に対応するジオプロセシング ツールになります。

Spatial Analys 9.x ツールバーの同等ツールの検索

マップ代数演算とラスタ演算

ArcGIS 9.x で提供されていた [ラスタ演算(Raster Calculator)] ツールは、ArcGIS 10 では新しい [ラスタ演算] ジオプロセシング ツールに取って代わられています。この新ツールは、以前のツールバーのツールと同様の計算機に似たインタフェースを持ち、マップ代数演算式を簡単に実行できます。ModelBuilder でも、以前のリリースで提供されていた [マップ代数演算 単一出力(Single Output Map Algebra)](SOMA)ツールと同様の方法で使用できます。

関連項目


7/10/2012