マップ キャッシュの概念と用語

このリファレンス トピックでは、マップ キャッシュに関する情報を読み、マップ キャッシュを操作するときに使用する用語の一部を簡単に定義します。これらの用語については、他のヘルプ トピックで詳しく説明しています。

アンチエイリアス

ラインおよびテキストが滑らかに見えるようにするグラフィックス手法。マップ キャッシュにはアンチエイリアスを適用できますが、その分パフォーマンスは低下します。アンチエイリアスが既存のキャッシュで使用されているかどうかを確認するには、conf.xml というタイル スキーマ ファイルを開いて、<Antialiasing> タグが true に設定されているかどうかをチェックします。

背景色

マップ ドキュメント内のデータ フレームの背景色。透過表示をサポートするイメージ形式を使用している場合は、マップ キャッシュ タイルが透過表示されます。背景色は、マップの別の場所で使用されていない色を設定してください。

キャッシュ

「マップ キャッシュ」をご参照ください。

キャッシュ ディレクトリ

「サーバ キャッシュ ディレクトリ」をご参照ください。

コンパクト キャッシュ

タイルが「バンドル」と呼ばれる、より大きなファイルのデータの連続するバイナリ ストリームとしてグループ化されているキャッシュ。これにより、必要なディスク領域とキャッシュをコピーする時間が短縮されます。

マップ サービス キャッシュの格納形式を変換(Convert Map Server Cache Storage Format)

キャッシュの格納形式をコンパクト形式とエクスプロード形式の間で変換できるジオプロセシング ツール。

マップ サービス キャッシュの作成(Create Map Server Cache)

キャッシュを初期化し、タイル スキーマを設定するジオプロセシング ツール。このツールはタイルを作成しません。

マップ サービス キャッシュの削除(Delete Map Server Cache)

キャッシュ、そのフォルダ構造、関連付けられたタイル スキーマ ファイルを削除するためのジオプロセシング ツール。

ディスコネクト キャッシュ

ソース データがサーバから意図的に取り除かれているキャッシュ。キャッシュの接続を終了する前に、キャッシュのすべてのタイルが構築されている必要があります。マップの全範囲を定義するソース マップ ドキュメントに少なくとも 1 つのレイヤが残されている必要があります。

DPI

1 インチあたりのドット数。キャッシュ タイルの解像度を決定します。

ダイナミック マップ サービス

マップの表示にキャッシュ内のタイルを使用しないサービス。マップはリクエストのたびにサーバによって描画されます。マップ サービスを最初に作成した時点では、すべてのマップ サービスがダイナミック サービスです。

エクスプロード キャッシュ

各タイルが個別のイメージ ファイルで表されているキャッシュ。ArcGIS Server 10 でコンパクト キャッシュのオプションが導入されるまで、キャッシュを格納する方法はエクスプロード キャッシュだけでした。

マップ サービス キャッシュのエクスポート(Export Map Server Cache)

後で共有のキャッシュを構築するため、他のキャッシュにインポートできるようタイルのサブセットを確保しておくのに使用されるジオプロセシング ツール。

融合キャッシュ

マップ内のすべてのレイヤが一連のタイルに同時に描画されるキャッシュ。このため、融合キャッシュでレイヤのオン/オフを設定することはできません。

マップ サービス キャッシュのインポート(Import Map Server Cache)

別のキャッシュからエクスポートされたタイルを 1 つのキャッシュに統合するのに使用されるジオプロセシング ツール。これは、多数の組織がタイルを 1 つのキャッシュに統合する共有キャッシュのシナリオにおいて便利です。

ローカル キャッシュ

マップをナビゲートした後、クライアントに格納されるキャッシュ タイル。これにより、それ以降タイルを取得するためにサーバにアクセスする必要がなくなります。ただし、ローカルで格納されるタイルがサーバ上のタイルと一致しなくなる可能性があります。

マップ サービス キャッシュの縮尺を管理(Manage Map Server Cache Scales)

既存のキャッシュで縮尺の追加または削除を行うジオプロセシング ツール。

マップ サービス キャッシュのタイルを管理(Manage Map Server Cache Tiles)

新しいタイルの作成、古いタイルの置換、またはキャッシュからタイルの削除を行うジオプロセシング ツール。このツールは、キャッシュの作成と更新の両方で使用されます。

マップ キャッシュ

マップ サービスのユーザにすばやく表示できるようにサーバ上に格納されたレンダリング済みのマップ イメージ。マップ サービスをキャッシュするかどうかは任意です。マップ サービスを最初に作成した時点では、マップ サービスはキャッシュされていない状態です。マップ サービスをキャッシュしたい場合は、キャッシュ プロパティを明示的に設定してタイルを作成する必要があります。

混合モード キャッシュ

背景が透過表示されるタイルは PNG 形式で格納され、透過表示されないタイルは JPEG 形式で格納されるキャッシュ。これを行うには、イメージの形式として [MIXED] を選択します。混合モード キャッシュは、ラスタ イメージ オーバーレイのシナリオで役立つことがあります。

マルチレイヤ キャッシュ

個々のレイヤまたはレイヤ グループが一連のタイル上にそれぞれ描画されているキャッシュ。このため、マルチレイヤ キャッシュではレイヤのオン/オフを設定することができます。マルチレイヤ キャッシュは、Web クライアントには推奨されていません。

オンデマンド キャッシュ

タイルを事前に作成せずに、クライアントによって最初にリクエストされたときに作成するキャッシュ。オンデマンド キャッシュはディスク領域とキャッシュを作成する時間を節約するのに効果的ですが、マップ エリアに最初にアクセスしたユーザはタイルが描画されるまで待たなければなりません。

サーバ キャッシュ ディレクトリ

ディスク上でキャッシュが格納される場所。[サーバ プロパティ] ダイアログ ボックスでキャッシュ ディレクトリを構成することができます。ArcGIS Server のすべてのコンポーネントを 1 台のコンピュータにインストールすると、サーバ キャッシュ ディレクトリが自動的に構成されます。

タイル

マップ キャッシュ内の 1 つのイメージ。

タイルの高さ

タイルのピクセル単位の高さ。デフォルトは 256 です。

タイルの幅

タイルのピクセル単位の幅。デフォルトは 256 です。

タイル原点

タイル グリッドの左上のポイント。通常、タイル原点はタイルの作成を開始する場所ではありません。原点がタイルの作成を開始する場所となるのは、マップの全範囲が対象となる場合に限られます。通常、タイル原点はマップのはるか外側にあり、マップ エリアがカバーされ、同じタイル原点を持つ他のキャッシュをキャッシュの上に重ねるために存在します。

タイル スキーマ

縮尺、タイル原点、タイル イメージ形式、タイル サイズ、アンチエイリアスなど、マップ キャッシュを構築するために使用される設定。これらは、キャッシュの一番上のフォルダの近くにある(データ フレーム名を表すフォルダ内の)conf.xml という名前のタイル スキーマ ファイルに格納されています。新しいキャッシュを作成するときに既存のタイル スキーマ ファイルをインポートできます。

更新モード

キャッシュ ツールでキャッシュ内のすべてのタイルを再作成するか、空のタイルのみを作成するか、タイルを削除するかを決定する重要なパラメータ。

仮想キャッシュ ディレクトリ

ディスク上のサーバ キャッシュ ディレクトリを参照する Web サーバ上の仮想ディレクトリ。仮想ディレクトリをサーバ キャッシュ ディレクトリに関連付けると、クライアントが URL を通じてキャッシュ タイルにすばやくリクエストできるようになります。


7/10/2012