Desktop Help 10.0 - チュートリアル: WMS サービスの公開

複雑さ: 初心者データ要件: 独自のデータの使用

このチュートリアルでは、ArcMap マップドキュメント（*.mxd）を WMS サービスとして公開する手順を示します。WMS は、インターネット上でマップイメージを提供するための仕様であり、OGC（Open Geospatial Consortium）によって公開されています。WMS を扱うのが初めてで、このチュートリアルに取り組む前に WMS について詳しく知りたい場合は、「WMS サービス」をご参照ください。

ArcGIS Server で WMS サービスを作成するのに使用できる方法は、他にもいくつかあります。.たとえば、マップサービス定義（*.msd）ファイルをマップサービスとして公開してから WMS ケーパビリティを有効にする方法や、いくつかのラスタデータをイメージサービスとして公開してから WMS ケーパビリティを有効にする方法などがあります。このチュートリアルでは、最もシンプルなシナリオに基づいて、MXD をマップサービスとして公開してから WMS ケーパビリティを有効にする方法について説明します。

このチュートリアルを開始する前に、MXD ファイルを準備し、GIS サーバ上のすべての SOC（Server Object Container）コンピュータから参照可能な共有ディレクトリに配置する必要があります。また、ポストインストールで作成した SOC アカウントに対し、マップドキュメントとマップドキュメントが参照するすべてのデータの読み取り権限を割り当てる必要もあります。

WMS サービスの公開

ここでは、ArcCatalog で WMS サービスを公開する方法について説明します。後から ArcCatalog を使用して、新しい WMS サービスをテストします。あるいは、WMS サービスを ArcGIS Server Manager で公開し、WMS クライアントアプリケーションでテストすることもできます。たとえば、Manager で構築した Web アプリケーションは WMS サービスを表示することができます。

手順:

ArcCatalog を使用して、WMS サービスとして公開するマップドキュメントを選択します。
[プレビュー] タブをクリックします。
マップドキュメントを右クリックし、[ArcGIS Server で公開] を選択します。マップサービスを作成するために必要な最低限の情報を入力するための簡単なウィザードが表示されます。サービスを公開したら、必要に応じて前に戻り、追加のプロパティを構成することができます。
WMS サービスを公開するフォルダを選択します（または、新規フォルダを作成します）。必要に応じて、サービスの名前を編集します。[次へ] をクリックします。
[ArcGIS Server で公開] ウィザードの 2 つめのパネルで、[WMS] ケーパビリティをオンにして [次へ] をクリックします。WMS ケーパビリティを有効にすると、クライアントは WMS 仕様を通じてサービスにマップをリクエストできるようになります。
作成されるサービスのサマリを確認します。クライアントがさまざまなプロトコルを通じてサービスにアクセスするために使用できる、さまざまな URL が表示されます。これらの URL は、前のページで有効にしたケーパビリティの結果です。
[完了] をクリックしてサービスを作成します。

マップサービスが公開され、ArcCatalog でプレビュー可能な状態になります。カタログツリーでサービスを選択した後、横のパネルで [プレビュー] タブをクリックします。

WMS サービスの使用

ArcMap ドキュメントが WMS サービスとして正常に公開されたことを確認するために、ArcCatalog でサービスをすぐに試してみることができます。

手順:

WMS サービスを使用するためには、その URL を知っている必要があります。マップサービスを右クリックし、[サービスプロパティ] を選択します。
[ArcGIS Server - マップサービスプロパティ] ダイアログボックスで、[ケーパビリティ] タブをクリックし、ケーパビリティリストで [WMS] をクリックします。
[Web アクセス] ボックスに表示された URL をコピーするかメモします。これが WMS サービスの URL です。
ArcCatalog を使用して、[GIS Servers] ノードを展開し、[WMS サーバの追加] をダブルクリックします。WMS サービスへの接続を設定するためのダイアログボックスが表示されます。
[URL] ボックスに、ステップ 3 で取得した URL を入力するか貼り付けます。
[レイヤの取得] をクリックし、WMS サービスへの接続を待ちます。正常に接続したら、レイヤツリーが WMS サービスのメタデータとともに表示されます。
[OK] をクリックして、ArcCatalog に WMS サービス接続を追加します。
WMS サービスのノードが ArcCatalog の [GIS Servers] ノードの下に表示されます。WMS サービスを表すノードを展開して、サブノードの 1 つを選択し、[プレビュー] タブをクリックしてサービスを表示します。
必要に応じて、ツールバーの [個別属性] ツールをクリックし、マップ上の適当な場所をクリックして、WMS サービスのフィーチャの個別属性を表示します。

このチュートリアルでは ArcCatalog で WMS サービスに接続しますが、ArcMap に WMS サービスを追加するプロセスもほぼ同じです。ArcMap の [データの追加] ボタンをクリックすると、GIS サーバ接続のリストを参照できるようになります。ここで作成した WMS チュートリアルは、ArcCatalog ですでに接続しているので、表示可能な状態になっているはずです。[WMS サーバの追加] をクリックして、このチュートリアルで行ったのと同じ方法で、新しい接続を追加することもできます。

7/10/2012