環境設定によるインライン変数置換の例

ジオプロセシング環境設定はいずれも、モデル変数として公開して、インライン変数置換に使用できます。ModelBuilder でジオプロセシング環境を使用する方法については、「モデル環境の管理の概要」をご参照ください。

ジオプロセシング環境設定は、ModelBuilder またはプロセスのプロパティ ページで設定できます。

プロセスのプロパティによる環境の設定

この例では、プロセスのプロパティ ページの [環境] タブを使用して [テンポラリ ワークスペース] 環境設定を指定し、この環境設定をモデルのインライン変数置換で使用しています。

手順:

1. モデルでツールを選択して右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
2. [環境] タブで、[ワークスペース] オプションをオンにします。
3. [値] をクリックします。
4. テンポラリ ワークスペースのパスを定義します。
5. [OK] をクリックして、モデルに戻ります。
6. 出力のパス パラメータで、%scratchworkspace% をインライン置換として使用します。ツールを実行すると、入力したテンポラリ ワークスペース環境の値で %scratchworkspace% が置換されます。

モデル パラメータでの環境設定による置換

注意:

モデル変数のインライン置換に環境（scratchWorkspace、XYResolution など）を使用している場合、モデル変数がモデル パラメータとして公開されていると、アプリケーション レベルの環境設定がモデル レベルの環境設定をすべて上書きします。

たとえば、次のようなモデルを考えます。

• テンポラリ ワークスペース環境は、モデルで C:\Scratch\Scratch.gdb に設定されています。
• 現在の ArcMap ドキュメントのテンポラリ ワークスペースは、C:\Temp\Temp.gdb に設定されます。

モデルの「出力のコピー」変数で、出力パスに %scratchworkspace% を使用しています（%scratchworkspace%\Output_Copy）。モデルを ModelBuilder で実行すると、結果が C:\Scratch\Scratch.gdb に書き込まれます。

このモデルをダイアログから実行すると、%scratchworkspace% がアプリケーション レベルで設定したテンポラリ ワークスペース（C:\Temp\Temp.gdb）で置換され、出力が C:\Temp\Temp.gdb に書き込まれます。

ヒント:

モデル例のようにモデル パラメータで環境による置換を行っている場合は、次の点に考慮してください。

• インライン環境置換（scratchWorkspace など）を使用している変数をモデル パラメータに設定することを避けます。これにより、実行時にモデル レベルの環境が使用されることが保証されます。
• または、モデル レベルの環境を設定せずに、アプリケーション レベルの環境設定だけに依存します。