ArcSDE ジオデータベースの編集について

このトピックは、ArcEditor および ArcInfo にのみ適用されます。

大勢のユーザが同時に編集および使用できる大型のマルチユーザ ジオデータベースが必要な場合は、ArcSDE ジオデータベースが適しています。

ArcSDE ジオデータベースは、さまざまな DBMS 格納モデル(DB2、Informix、Oracle、PostgreSQL、SQL Server)に対応し、基盤となるデータベースのアーキテクチャの利点を十分に活用します。ArcSDE テクノロジでは、複数ユーザによる同時編集、分散ジオデータベース、履歴アーカイブなど、バージョンベースの重要な GIS ワークフローに対応できるだけでなく、共有のマルチユーザ ジオデータベースを管理する機能が提供されます。

ArcSDE ジオデータベースのデータは、バージョン対応とバージョン非対応のいずれにもすることができます。ジオグラフィック データがバージョン対応の場合は、ジオデータベースの特定のバージョンを編集できます。これに対し、バージョン非対応のデータの編集は、標準のデータベース トランザクションの実行に相当します。ArcMap の編集セッションでバージョン非対応のデータを編集する場合は、データ ソースを直接編集します。

ArcSDE ジオデータベースでのバージョン対応データの編集

バージョニングにより、データにフィーチャ ロックを適用したりデータを複製したりすることなく、複数のユーザがマルチユーザ ジオデータベースの同じデータを編集できます。ArcSDE ジオデータベースを編集する場合は、各自のビューまたはジオデータベースの状態内で作業するため、作業内容を保存するまでは、他のユーザがその内容を参照することはできません。つまり、複数のユーザが同時に編集している場合でも、各自の編集内容しか見えないことになります。

編集作業を開始すると、そのバージョンの独自の状態を編集することになります。同じバージョンに接続している他のユーザは、そのバージョンへの変更が保存されるまで、編集内容を参照することはできません。編集結果をジオデータベースの別のバージョンに適用する準備が整ったら、編集のリコンサイル プロセスを通じて変更をマージして競合を解決し、変更内容をデータベースの親バージョンに送信します。

バージョン対応の ArcSDE ジオデータベースを編集する場合の一般的なワークフローは、次のとおりです。

  1. ジオデータベースに接続します。
  2. データをバージョン対応登録します。
  3. データを ArcMap に追加します。
  4. 編集作業を開始します。
  5. 編集中のバージョンとターゲット バージョン間で競合がないかどうかを確認してリコンサイルしてします。
  6. 変更内容を親データベースに送信します。

バージョン対応の編集プロセスの詳細については、「バージョン編集プロセスの概要」をご参照ください。

ArcSDE ジオデータベースでのバージョン非対応データの編集

バージョン非対応のデータの編集は、標準のデータベース トランザクションの実行に相当します。トランザクションは、ArcMap 編集セッションのスコープ内で実行され、編集セッションを開始して、フィーチャの追加、削除、移動、属性の更新などの必要な操作を実行します。編集結果を保存すると、編集結果が単一のトランザクションとしてジオデータベースにコミットされます。変更内容をジオデータベースにコミットしたくない場合は、編集セッションを保存せずに終了する必要があります。編集セッションを開始または最後に保存してからの作業内容は、すべて元の状態に戻ります。

バージョン非対応データを編集する場合の一般的なワークフローは、次のとおりです。

  1. データがバージョン対応レイヤとして登録されていないことを確認します。
  2. ArcMap の [編集オプション] ダイアログ ボックスで、バージョン非対応のデータを編集できるように設定します。
  3. データを ArcMap に追加します。
  4. 編集作業を開始します。
  5. 編集結果を保存し、編集セッションを終了します。

バージョン非対応の編集プロセスの詳細については、「バージョン非対応データ操作の概要」をご参照ください。


7/10/2012